症例9

臨床所見

90歳代女性。歩行中、乗用車に轢かれ、救急要請された。救急隊到着時CPAであり、直ちに蘇生術が施行されたが、当院到着後も蘇生されず、CTによるAiが施行された。


診断

外傷性大動脈損傷

画像所見

交通外傷の場合、多発外傷であることが多い。この場合、いずれの所見が最も死因に繋がるかを判断することは難しい。Shiotaniらによって、救急領域で交通事故の重症度分類に用いられているAbbreviated Injury Scale (AIS)を元に、死後CTの部位別重症度分類が提唱されている。これをともに重症度分類を行うことで、より客観的な死因同定が可能となる。Seiji S et al. Radiat Med (2008) 26:253-60

ポイント

交通事故に伴う多発外傷では、どの所見が最も死因となりうる所見なのか判断が困難な場合がある。そのような場合はShiotaniらによって提唱されているAbbreviated Injury Scale(AIS)を共に交通事故外傷の死後画像をGrade分類したものが有用である。Grade分類することで、客観的な判断が可能となる。Seiji S et al. Radiat Med (2008) 26:253-60

担当者名

帯広厚生病院 放射線科
菊池穏香、佐藤幸彦、菊地慶介、真鍋徳子