症例は50歳代男性。薬物中毒での受診歴あり。高所から転落した状態で発見された。当時、何らかの薬物を摂取していたかどうかは不明。当院救急搬送されたが、蘇生されずCTによるAiが施行された。
転落による多発外傷
高所からの転落の場合、高エネルギー外傷となり、多発外傷の場合が多い。所見を1つ1つ丁寧に拾い上げていく必要がある。CTによるAiに慣れていない場合、高橋らによって提唱されている死後CT読影チェックシートを活用することで、所見をもれなくピックアップすることが可能と思われる。また、外傷の場合は、骨折や腹腔内のfree airの存在など見逃さないためにも、適切な階調にCTの条件を変えて所見を確認する必要がある。高橋ら、臨床放射線 Vol 55 No2,2010
帯広厚生病院 放射線科
菊池穏香、佐藤幸彦、菊地慶介、真鍋徳子