症例49

臨床所見

0歳 女性
要約 )早産極低出生体重児(30w3d, 1565g)呼吸窮迫症候群、重症新生児仮死(Apgar score1分1点、5分1点)、早発型GBS(B群溶連菌)性敗血症 病歴) 午前8時14分在胎30w3d体重1565g、As1/1, 全麻下緊急C/Sで出生。臍帯巻絡2回あり。出生時より筋緊張低下、自発呼吸なく、心拍<60のため、直ちにバギング(Fi02 1.0)を開始。出生後1分でも心拍<60続くため、挿管の上胸骨圧迫+バギングを開始。サーファクタント投与、痙攣あり、抗痙攣剤使用。蘇生にもかかわらず心拍低下あり。看取りの方針。 午後0時10分死亡確認。児の血液、鼻腔、胎盤より、GBS検出。


画像所見


右側脳室に脈絡叢内の少量出血あり。


胸腺は正常大と思われる。全体的にかなり高吸収の描出となっている


相当量の胸水がある。


診断

  • 死後CTでは明確な死因は不明だが、敗血症による血管透過性の亢進と整合するような相当量の水腔症は認められる。

解説

  • 【異常所見】 ①右側脳室脈絡叢内出血(Ⅰ度IVH)、②両側胸水、③腹水 ②、③は感染による血管透過性の亢進が関与している可能性あり。 死因とできるような所見はない。
  • 【陰性所見】骨折など外傷性変化なし。大量出血なし。 中枢、骨格系腹部臓器の形成異常の所見なし。
  • 【小児の非特異的な死後変化】 ①含気のほとんどない肺(異常があっても指摘できない)
  • 【小児の生理的な所見】 ①終末回腸から大腸内を充満する高吸収の胎便。
  • 【通常の死後変化】静脈洞の高吸収化、脾臓の縮小。

担当者名

Ai情報センター(小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業登録症例)