症例46

臨床所見

0歳8ヶ月 女性
要約) 不詳の内因死
母が夜なきをしないことを気にかけ、起きて確認すると布団の上で仰向けで布団をかぶった本人を発見。意識も呼吸もなく、救急要請。心肺蘇生約60分。
病歴)20〇〇年4月12日 21時頃に就寝。
4月13日 5時頃になり、夜なきをしないため、本人を確認するとCPA状態のため救急要請。CPR行うも蘇生に至らず、死亡確認。(死亡の時刻は4月13日午前4時頃)
既往歴)特になし。


画像所見


両側肺は気管支壁の肥厚もあり、気管支血管束周囲の間質が増生。


胃内の高吸収は異物や薬物の可能性がある。


肝腫大の可能性あり。

診断

  • CT上は明確に生前からの異常所見と考えられるものは指摘できない。
  • 両側肺は気管支壁の肥厚があり、肺門~気管支血管束周囲腔の陰影も目立つ。死戦期や蘇生時にも生じ得る所見かもしれないが、今回と同様の現病歴を持つ他の死後CTと比較すると、陰影分布はびまん性ではなく前記のような偏りを持つ特徴がある。今回と同様の肺CT所見を示す解剖症例でRSウイルスが検出されたことを経験しており、肺にも所見を呈する感染症が存在していた可能性は考えられる。
  • 胃内の高吸収物質については、どのようなものであるか検索されるべきと思う。
  • 虐待を疑わせるような外傷性変化は見られなかった。窒息については判断はできない。

解説

  • 肝腫大(腎臓下縁より下まで肝臓があり)下記による肝炎?の可能性がある。また、胃内の高吸収は異物や薬物の可能性がある。8か月でハイハイをしている時期であり、離乳食がペーストから固形に移る時期であるので、食事や薬物として投与したとは考えにくい。
  • 医療情報で 投薬:特になしとある。誤飲事故は6か月くらいから可能性があり、薬剤誤飲の可能性があるので、家族の薬歴や殺鼠剤等の可能性を調べてもらう必要がある。

担当者名

Ai情報センター(小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業登録症例)