症例35

臨床所見

15歳 女性
要約)浴槽内で児が沈んでいる所を発見。
19:30 自宅にて入浴前に家族が最終無事確認。
19:45 妹が浴槽内で児が沈んでいる所を発見。水面から右膝のみが露出する状態だった。
19:52 救急隊到着時JCS300、瞳孔散大、対光反射消失。
20:00 病院到着時同様、CPA状態。
既往歴)5歳時発症のてんかんに対し内服薬あり。


診断

風呂溺水/てんかん

  • 頭蓋は厚くなっており、抗てんかん薬の影響を疑わせる。
  • 脳は若干小さい。灰白質白質の境界がはっきりしない。小脳に比べると大脳が低吸収である。
  • 溺水と考えた場合、虚血がCT上現れるには、約3時間と短い(19:30 生存確認から、22:56CT)ため、何らかの脳症、脳炎などが先行したものと思われる。
  • 扁桃腺が腫大し、内部に空気が点状に存在する。扁桃腺炎と思われる。
  • 上顎洞に少量、蝶形骨洞に中等量の液体貯留があり、溺水に一致する。
  • 肺野の実質陰影は前方部分に多く、うつ伏せでの誤嚥と一致する。
  • 心臓、肝臓のガスは、蘇生後変化と思われる
  • 膵臓周囲の液体や胃壁のガス粒状の低吸収も、蘇生後変化の可能性がある。
  • 皮下脂肪があり、乳腺、両側卵巣があり、栄養状態は良好と考えられる。

画像所見のまとめ

  • うつ伏せ溺水の経過に一致した肺前方部分の浸潤陰影。
  • 上顎洞に少量、蝶形骨洞に中等量の液体貯留があり、溺水に一致する。
  • 扁桃腺炎
  • 栄養状態は良好

担当者名

Ai情報センター(小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業登録症例)