症例28

臨床所見

13歳 男性
要約)症候性てんかん
病歴)先天性ミオパチー、症候性てんかん、反復性肺炎、心外膜炎、喉頭離断、胃瘻造設術後で○○病院小児科外来にてフォローされていた。○月○日朝血尿(以前より時々出ていた)と、全身チアノーゼが急に出現したため救急搬送依頼となった。来院時心室性頻拍状態であり、間もなく無脈性に移行した。心肺蘇生に反応せず、午後3時30分に死亡が確認された。


診断

  • 出血性膀胱炎によると考えられる膀胱周囲後腹膜腔の液体貯留が認められる。炎症または一部破裂と思われる。急性尿毒症かショックによる死亡が疑われる。
  • 体幹断面の扁平化、筋肉量減少、荷重部の無気肺形成、心腔容積の減少、椎体高の増大、挙上されていた右臼蓋の形成不全と右大腿骨頭の脱臼など、長期臥床にあった場合に一般的に見られる所見が認められる。
  • 生前びまん性の脳萎縮があり、大脳半球や小脳で目立ち、基底核・視床は相対的には体積と形態が保たれている。PVL、基底核視床壊死後変化は認識できない。
  • ミオパチーという臨床診断であったが、小頭、痙性麻痺様肢位、痙攣などはミオパチーには見られない所見である。Hypoxic ischemic encephalopathyであったのかもしれない。

画像所見

  • 骨折その他の外傷性変化なし。
  • 頭蓋骨は肥厚している(抗てんかん薬の長期内服による副作用疑)。
  • 前頭、側頭葉、小脳は萎縮。
  • 大脳基底核や視床は体積と形態が保たれているが、両側尾状核頭が高吸収に見え石灰化
  • 生前、気切孔チューブは抜去されている。
  • 右鎖骨上窩に脂肪混濁、左鎖骨下静脈分枝内ガス、左第5肋軟骨接合部骨折あり(蘇生術後変化)。
  • 胸腺残存(生前同様、年齢相応)。
  • 女性化乳房あり(生前同様、薬剤の長期内服による副作用)。
  • 生前既知の心外膜炎による中等量心嚢水貯留は、生前より減少している。
  • 冠動脈走行は正常。心筋に石灰化沈着なし。
  • 各肺葉の荷重部に限局性無気肺あり。他には肺に有意な陰影なし。胸水なし。
  • 十二指腸水平脚部で狭窄があり、これより口側の十二指腸内腔は液体貯留により拡張しているが、胃内容や便はあり食事はできていたようである。
  • 便秘。
  • 膀胱壁肥厚、膀胱周囲~仙骨前腔の脂肪混濁~液体貯留がある。
  • 膀胱内の尿は吸収値が高く血尿であると思われる。
  • 上肢の骨は細小化している。
  • 腰椎側弯、骨盤変形、筋肉萎縮あり。
  • 腰椎の高さは高い(寝たきりによる)。
  • 右臼蓋形成不全と脱臼

担当者名

Ai情報センター(小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業登録症例)