症例23

臨床所見

0歳 女性
要約)出産翌日死亡
在胎34週1日、母体発熱、陣発のため、緊急帝王切開で出生。
体重1666g、出生後よりチアノーゼ、徐脈有り。蘇生にも反応せず、気管内挿管。NICU入院。
右横隔膜ヘルニア、Apg1/2
先天性心疾患(VSD,CoA)と診断
奇形症候群(特異顔貌、腕、手の拘縮有り)
染色体異常FISH(13,18.21 トリソミー)G-bandingを提出。
治療にかかわらず、翌日死亡。


診断

  • このCTでは顔面頭蓋低形成、内耳奇形、梨状口狭窄など頭頚部の異常を示唆する所見が認められる。撮影データが残されていればより詳細な正確な評価が可能ではないかと思う。
  • 両側肺の低形成も強く、死因に関連している可能性があると思われる。
  • 両側肺とも air leak がないのは強引な蘇生措置が行われなかったことを示しているのではないか。
  • 奇形症候群Pena-Shokeir syndrome Klippel Feil syndromeの合併が考えられる。
  • 染色体異常の可能性もある。

画像所見

  • 両側側頭骨の骨迷路に以下のような先天異常が見られる。右の外側半規管の central bone island が認められない。右のcochlearのimcomplete partitionがあるようだ。左はcochlear hypoplasia (あるいはcommon cavityの可能性も)がありそうだ。左内耳道は狭小化しているようだ。
  • 先天性横隔神経麻痺や肺低形成による横隔膜高位としても納得できる像である。ヘルニアでは、肝臓は部分的にヘルニアになるため、2段の山になるが、なっていない。また、全体がヘルニアになる場合腸管も脱出すると思われる。
  • butterfly vertebraが、いくつか(L1,Th9,6,5)あるようである。
  • 頸椎分節が無いように見える部分あり、Klippel Feil 奇形と思われる。左右肋骨のfusionがある。胸骨の低形成を認める(骨化核が一つ)。

担当者名

Ai情報センター(小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業登録症例)