症例21

臨床所見

0歳1ヶ月 男性
要約)3時に、授乳。5:50 うつぶせで呼吸をしていないことに気づき、母がCPRを行い、救急要請。
救急隊到着時心静止状態、蘇生に反応無く
6:41 死亡確認
6:51 AiCT撮影
解剖)警察で司法解剖


診断

  • 先天性間質性肺疾患の可能性がある。
  • SUID(Sudden Unexpected Infant Death)を来していることからLeigh脳症をきたす一群のミトコンドリア病などの可能性がある。
  • 症状に気づかず、うつ伏せにより、病態悪化、突然死した可能性がある。

画像所見

  • 頭蓋内出血や骨折など、非偶発的外傷など外傷死を疑わせる所見は認められない(なお四肢の骨については検査が行われていない)。
  • 大量出血は認められない。
  • 気胸や腹腔内遊離ガスも認められない。
  • 小脳白質や橋、中脳、両側淡蒼球・尾状核が、最終生存確認から3時間にしては低吸収化が著しい。生前からの異常所見の存在の可能性があり、SUID(Sudden Unexpected Infant Death)を来していることからLeigh脳症をきたす一群のミトコンドリア病などの可能性は考慮されるべきと思われる。
  • 両側肺は、気管支血管束周囲など広義間質の浮腫と肺胞への滲出性変化が現れている。死戦期の急性左心不全による浮腫が関与することから、一般的にはAiCTで生前の肺の状態を推測するのは容易ではないが、画像からは生前の感染症や間質性肺炎の可能性も考慮されるべきと思われる。

担当者名

Ai情報センター(小児死亡事例に対する死亡時画像診断モデル事業登録症例)