症例2

臨床所見

70代男性。夕方より腹痛を訴えていた。23時に嘔吐あり。1時に救急要請。救急隊到着時JSC‐10。
救急車内で急変JCS‐300。1時20分病院到着時CPA。その後蘇生処置を行うも永眠される。家族の承諾ののちAiを施行した。解剖は行われていない。


診断

腹部大動脈瘤破裂

画像所見

頭部:特に所見はなし。 肺野:特に所見なし。胸部:特に所見なし。
腹部:腹部大動脈瘤を認め、周囲に大量の血腫を認めた。
以上より、解剖は行われなかったがAiの所見より腹部大動脈瘤の破裂が死因であると推定された。

ポイント

Aiで腹部大動脈瘤破裂の診断は容易であり、拡張した大動脈、周囲の血腫があれば確定できる。ただし、瘤が破裂後、拡張した動脈として描出されにくいこともあるため、MPRを作成し、さまざまな角度から注意深く観察する必要がある。

担当者名

社会医療法人財団池友会 新小文字病院
萩田 智明(1) 小笠原 伸彦(2) 長嶺 貴一(3)
(1)放射線科 診療放射線技師 (2)放射線科 (3)ER・外傷センター