症例19

臨床所見

20代男性。オートバイ運転中に車と衝突し5~6mほど飛ばされた。救急隊接触時、心肺停止の状態であった。蘇生術開始しつつ当院へ搬送されたが反応なく死亡された。


診断

交通事故による外傷死

画像所見

図a,b)右房右室内に大量のairが認められ、皮下・縦隔気腫、右気胸が認められる。図c)気脳症、頭蓋骨骨折、広汎な脳挫傷が認められる。図d)3D再構成では骨折の形状が明瞭に観察可能。

ポイント

心血管内に大量の空気が認められることから、外傷による大量の出血があったと考えられる1)。蘇生術・大量輸液に反応が得られなかった理由と考えられる。交通事故による外傷死であることは明らかだが、体表からの観察では得られない知見が得られた症例であった。外因死として警察検案となった。

1.Hoey BA,Cipolla J,Grossman MD,et al.: Postmortem computed tomography, "CATopsy", predicts cause of death in trauma patients. J Trauma 2007,63:979-985.

担当者名

亀田総合病院
伊藤憲佐 野田剛 葛西猛