症例16

臨床所見

右総腸骨動脈瘤を指摘され手術を勧められていた80代男性。突然発症の腹痛を主訴に近位受診し大動脈瘤切迫破裂の診断にて当院へ搬送された。来院時ショック状態であり循環動態を維持できず死亡された。


診断

腹部大動脈・腸骨動脈瘤破裂

画像所見

図a,c)後腹膜腔に淡い高吸収を呈する血腫が認められる。図b)右総腸骨動脈瘤が認められる。動脈瘤の後腹膜側への破裂による死亡と思われた。

ポイント

血腫は淡い高吸収として認められ,生存患者の画像診断と同様である。腹部大動脈・腸骨動脈瘤破裂は救命率の低い重篤な疾患であり、CPAOAでの救命例はないとする報告1)もある。

1.福田篤志,久米正純,岡留健一郎: 腹部大動脈・腸骨動脈瘤破裂手術症例における予後因子と転帰の解析: 日本血管外科学会雑誌 2007,16(6):751-757

担当者名

亀田総合病院
伊藤憲佐 野田剛 葛西猛