症例14

臨床所見

高血圧症のある80代女性。物音に気付いた家族が台所で倒れている本人を発見し救急要請。救急隊接触時、心肺停止の状態であり蘇生術開始しつつ搬送された。蘇生術に反応なく死亡確認となった。


診断

自宅での突然死症例(くも膜下出血)

画像所見

図a,b,c)脳底部から両側シルビウス裂に至る広汎なクモ膜下出血が認められる。他に明らかな直接死因を疑う所見は認められなかった。

ポイント

急性期のクモ膜下出血はCTにてほぼ確実に診断できるが100%ではない1)。出血量が少量の場合、頭部の静脈洞(横静脈洞、S状静脈洞、矢状静脈洞)の血液就下との鑑別が問題となる。

1.Sames TA, Storrow AB, Finkelstein JA,et al.: Sensitivity of new-generation computed tomography in subarachnoid hemorrhage. Acad Emerg Med. 1996 3(1):16-20.
2.大友邦 監修 塩谷清司 山本正二 編 オートプシー・イメージング読影ガイド 文光堂 2009,第2章 読影方法 I.読影方法と死後変化 p.28

担当者名

亀田総合病院
伊藤憲佐 野田剛 葛西猛