症例10

臨床所見

症例1

70歳代女性。自転車走向中に、自動車と衝突した交通外傷症例。来院時CPA。CTによるAiのみ施行。

症例2

50歳代男性。歩行中、自動車に轢かれた。来院時CPA。CTによるAiのみ施行。


診断

頚椎脱臼骨折

画像所見

症例1

死後33分後の頚部CT:縦隔条件水平面像においても椎体の前後方向の偏位が認められるが、矢状断像のほうが、よりわかりやすい。骨条件と併せて、環軸椎脱臼骨折と診断された。

症例2

縦隔条件、骨条件の矢状断像のみの提示。第6頚椎が後方に偏位し、第6頚椎と第7頚椎レベルで脊髄が断裂している。

ポイント

外傷において頚部損傷は直接の死因に関与するため、頚部のCT評価は非常に重要である。頚椎の脱臼や骨折をCTで評価する場合、骨条件はもちろんであるが、水平面像のみでは十分な評価ができないことがあり、矢状断像などの再構成画像で評価する必要がある。

担当者名

帯広厚生病院 放射線科
菊池穏香、佐藤幸彦、菊地慶介、真鍋徳子