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研究概要

2光子イメージングとオプトジェネティックス(光遺伝学) 私たちの脳の存在理由は何でしょうか。人間を含む動物は環境からの情報と身体内部の情報を脳の中でコード化し、それを保持しつつ過去の記憶と照らし合わせて、いくつかの選択肢から最善の結果が得られるであろう行動を決定します。その結果得られた報酬や罰をもとに、脳回路に保持されていた情報・行動の価値、行動パターンを更新し、次の機会により良い選択、行動ができるように学習します。このことが動物全般に共通した脳の存在理由と言えます。さらに脳は、外部・内部からの情報なしに内発的にさまざまな行動パターンを創出することが出来ます。行動として表出されなくても、脳の中でさまざまなシミュレーションを行うことで将来の推定・予測もでき、これを知性・思考の初段階と捉えることもできるでしょう。ヒトに近づくにつれ、この能力が飛躍的に進化し、他者心理すら推論するようになったと考えられます。これらの脳機能を実現するために、脳の中で細胞レベルでどのようなことが起こっているのでしょうか。脳内の神経細胞の複雑なネットワークの物理的実体、そこを巡る情報、学習を実現する可塑性を、2光子イメージング、光遺伝学、電気生理学、分子生物学、統計数理などの方法論を組み合わせることで明らかにすることを研究目標としています。現在は、前頭皮質回路、前頭皮質―大脳基底核ループ、前頭皮質―小脳ループに注目し、将来予測、意志決定、運動企画・実行を実現する回路実体と情報の流れの解明を目指しています。


行動変容を創発する脳ダイナミクスの解読と操作が拓く多元生物学   脳情報動態を規定する多領野連関と並列処理

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更新日: 2021/11/24