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フッ素洗口への批判

〜教育的立場から〜 小・中学校当時にフッ素洗口を実施した高校生徒のアンケート調査 についての見解(新潟県立三条高校教諭 田中 弘) アンケートの結果から、現在実施されているフッ素涜口に対して、二つの 問題提起をしておきたい。 1.アンケートからみられるように、現場では ●強制的な雰囲気の下で実施されていること。 ●保護者・生徒に対して説明が充分になされていないこと。 ●子供の身体に関する教師の認識に問題が感じられること。 ●希望しない生徒に対する配慮がなされているとは思われないこと。 ●不快感を訴える生徒が多いこと。 ●洗口以外のむし歯予防の指導が不充分なこと。 などなどの点から、フッ素洗口をやってきた生徒の立場からみると、 この方法は、教育現場にはなじまないと結論を下さざるを得ない。 2.これは、一人の親が町当局及び保育・教育現場と相対してわかったこと であるが、「公衆衛生」という名のもとに、学会、歯科医師会、行政が結び つくなかで、説明も十分になされず、疑問を呈すると無視し、排除しながら おしすすめられている現実に直面する。親が希望しなげればさせない、など という推進側の見解は、現場においては、アンケートからもわかるように、 どれ程正確になされているかは疑問である。  近代科学技術の進歩には目ざましいものがある。その恩恵を受げるために、 大学、医師会、行政が政策的に実行に移すことも理解できる。 しかし、その反面、<能率的>とく機能的>を合いことばに、おしすすめて きた近代化の過程そのものに、公害をはじめとする環境破壊が発生し、その 反省が求められてきている。  このむし歯予防において、「公衆衛生」という立場からなされるフッ素応 用は、親として、また、教育現場こいるものとして、その存立する予防医学 の理論をもう一度、もっと幅広い教育的、社会的な立場も含めた学問的検討 を加えるべきであることを提起したい。(フッ素研究、第4号、1983)
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