【総説・翻訳】
歯科医師・文学士・博士 ジョン・コフーン*
〔訳者〕 歯科医師・医学博士 村 上 徹* *
初出誌: Perspectives in Biology and Medicine 41:29―44,
1997 (University of Chicago Press)
この翻訳は生前における原著者の承諾のもとに行ったものである。 (訳者)
* John Colquhoun 1924―1999
ニュージーランド、 オークランド大学教育学部
**むらかみ・とおる 前橋市上小出町 1―5―16 村上歯科医院
E- メール:tomura@jcom.home.ne.jp
HP:日本フッ素毒警告ネットワークhttp://members.jcom.home.ne.jp/tomura/
■最初、 私は熱心な推進派だった
フッ素化に関して、 私がなぜ意見を変えるにいたったのかを説明するためには、 私が熱烈な推進派だった頃の話をしなければならない。
振り返ってみれば、 私は、 歯科学を習得する過程で、 あまりにも熱心に、 フッ素論争の極めて一方的な立場のみを勉強してきた。
私が教育され信じてきた事といえば、 「フッ素化に関しては真の意味で科学的論争なるものは存在せず」、 「まちがった情報を信奉する素人」
か、 専門家であれば、 「頭のおかしな者だけが愚かにもこれに反対している」 ということであった。
私は後悔とともに思い出す。 市政府の職員となった後 (私は当時、 ニュージーランドの最大の都市オークランドで、 長年歯科医業を続け、
最後には同市の首席歯科管理官となった)、 私は如何に傲慢に、 (というより、 猛烈にというべきだろうか)、 市庁での同僚 (歯科の専門家ではなく、
フッ素化には反対の意見がある事を認め、 かつそれを受け入れた者) を軽蔑しながら、 市長や市会議員らに、 我々の水道にフッ素を添加する事を説得して回ったのであった。
その数年後に首席歯科管理官になった時、 私はニュージーランド歯科医師会雑誌で、 フッ素化してから子供の虫歯がいかに減少したかを報告した。
その報告書で、 私は、 フッ素化の利益が最も大きいのは、 貧しい地区で虫歯が減った事だと指摘した (1〕
。
私の公僕としての義務には、 市内の学校における歯科治療の監督も含まれていた。 これは全国学校歯科サービスの一環として行われているもので、12〜13歳の児童の殆ど全員
(98%) に対する6か月毎の一定規格の検診と、 それに伴う歯科治療とが厳格に行われていた。 そのため私は、 実質上全市の児童全員の治療記録と虫歯の発生率を知ることができたのであった。
私はこの研究で、 このような治療の統計は 「わが国の児童の歯科保健の適切な手段を提供する」 と主張した。 この主張は同僚の歯科医師らに受容され、
私のこの研究はニュージーランド歯科医師会の公的な歴史として引用されている 〔2〕
。
■うち明けられた情報
水道フッ素化に関する私の努力が成果をあげたため、 1980年に首都ウェリントンにいる私の上司らが、 私を世界各地のフッ素化を視察する研究旅行に推薦した。
おそらくその旅行の後では、 私はフッ素化の権威者になるはずであり、 いまだにフッ素化を拒否しているニュージーランドの各地で、
これを推進する運動の主導的役割を果たすことになったはずである。
その旅行に出発する前、 上司が私に打ち明けた話によると、 収集した新しい情報に、 懸念があるということだった。 それは何かというと、
学校の歯科検診からみる限り、 児童の虫歯の減少の割合は、 フッ素化地域と非フッ素化地域とで少しも変わっていないということだった。
これをさらに詳しく述べてみると、 フッ素化地域、 非フッ素化地域の全児童 (特に処置した時期の古い12〜13歳児) 〔3〕 について収集した結果は (この情報は、 私の旅行中に収集し始められたようであった)、
フッ素化地域の方が良い歯が多いとは確かに感じられるものの、 その割合は、 我々がいつも主張しているように50%〜60%もの差ではなく、
多少は違いがあると言う程度のものしか示していないという事である。
上司らは、 フッ素化していない地域の虫歯の減少を、 フッ素入り歯磨き剤やフッ素のサプリメントを使用した結果であり、 フッ素化と同時に開始した学校歯科でのフッ素塗布の結果であろうと考えた。
偏狭なフッ素化主義者であった私は、 文句なくこの説明には従った。 しかし、 我々はこれまで世間に対して、 虫歯を減少させる唯一の手段は、
水道フッ素化だけだと宣言してきていたのである。
■研究のための世界旅行
私の旅行での訪問先はアメリカ、 イギリス、 ヨーロッパ、 アジア、 オーストラリア などであった 〔4〕
。 アメリカ合衆国では、 私は、 サンフランシスコのアーネスト・ニューブルン、 アン・アーバーのブライアン・バート、 ワシントン
DC 近くのベセダにいたジョン・スモールのような歯科の学者らやアトランタにある CDC (米疾病コントロール予防センター)
の 人たちと議論を交わした。
次いで私はイギリスに渡り、 ミッチェル・レノン、 ジョン・ビール、 アンドリュー・ラックガン、 ネイル・ジェンキンスらと会い、
イギリスやヨーロッパ諸国の多数の科学者や保健衛生の係官らと話をした。 そのようにして私は、 フッ素化に賛成する研究所や科学者だけを訪ねていたのであるが、
時にはニュージーランドの私の上司のように、 フッ素化を憂慮する状況に出くわすこともなかったわけではない。 虫歯の減少は水道のフッ素化なしでも起こっていたのである。
しかし、 私は、 もっと大規模な詳しい調査を行えば、 虫歯を防ぐ最も確実かつ有効な方法は水道のフッ素化だけだという事が分かるだろうと確信していた。
そんな大規模な研究、 つまり非常に多数の子供たちを対象とする調査はアメリカが行っていただけであるが、 その当局は、 その結果を知らせてくれると約束していたのであった。
■歴史から学ぶこと
私が今にして悟っているのは、 私や私の同僚のような専門家といわれる人種は、 愛用の理論と矛盾する新事実の出来によって、 如何に困惑させられるのかという事である。
そんな事態は科学史の中にしばしば出現する。 彼らは新事実そのものを無視すべく、 説明に懸命になる。 特に彼らの名声がその理論に依拠しているような場合には、
理論そのものを無傷に保つため、 凄まじい努力まで払うのである。
もう、 殆ど半世紀も前の事になるが、 私は歯学部を卒業したあと、 歴史学科も卒業した。 私は特に、 科学の歴史に興味があった。
私が多くの歯科医師に先立ってフッ素化理論を見直すことになったのは、 この事と関係があるのかもしれない。
さて、 そうこうしているうちに私は旅行から帰国したのであるが、 この旅行は私のフッ素賛成の立場をいっそう強固にした。 私はこの信念を上司に詳しく説明し、 やがて 「全国フッ素化推進委員会」 の委員長に就任した。 私は世間や同業の歯科医師らに対して、 「フッ素化は、 子供の歯を一段とよくする結果をもたらす」 という事実を周知させよという指示を受けた。
■驚くべき事実:フッ素化は歯を悪くする?
その指示に従う前に、 私はオークランド市を留守にしていた間に集められた新しい歯科検診の統計データに目を通してみた。 そこには各学校の歯科室に通っている全児童のデータがあった。
これは実質上、 オークランド市全児童のデータでもある。
それを見て私はびっくりした。 なんとフッ素化していない地域の方が、 フッ素化地域より充填した歯が少ないのである。 私は北部や南部の
「大オークランド圏」 の同様なデータも調べてみた。 この圏内の人口は、 ニュージーランド全体の 1/4 である。 しかし、
結果は同様だった。 虫歯は減少しており、 その割合はフッ素化非フッ素化にかかわらず全く相違が見られなかった。 事実の上ではフッ素化していない地域の方がわずかに歯がよかったのだが、
それは大した相違ではない。 私は疑問に思った。 なぜ私は、 今まで他の地域から、 こうした統計データの送付を受けてこなかったのであろうか。
そこで他の地域のデータも要求したのであるが、 これらが私の所に送られてくるに際しては、 「公表しないこと」 という注意書きが添えられてあった。 このデータは1981年のものだったが、 殆どの保健区域において、 12〜13歳の子供で虫歯のない (これは完璧な歯という事であるが) 者の割合は、 フッ素化していない区域の方が多かったのである。 この情報は最終的には公表された 〔4〕 。
その後、 数年間にわたり全児童のデータについて、 同様な条件下のフッ素化地域と非フッ素化地域とを比較してみると、 非フッ素化地域の方がわずかだが歯がよいという結果がわかった 〔5,6〕 。 私の同僚たちは、 フッ素化を守ろうとする態度を強く見せていたが、 この結果から、 「歯科治療の統計は、 子供の歯の健康状態を正しく示す手法ではない」 と主張するようになり、 フッ素化を支持した際にこの手法を受容した場合と違って、 全く逆の事を言い始めたのであった。
私は、 「フッ素化した方が歯がよくなる」 という説明を、 世間に対して実行しなかった。 その代わりアメリカの同僚たちに手紙を書き、
アメリカで行われていた大規模な調査の結果を知らせてくれるように要望した。 しかし、 この手紙に対する返事は来なかった。
その数年後、 ジョン・イアムイアニス博士がアメリカの情報公開法に訴えて彼らが集めたデータを入手した。 それによれば、 合衆国全土にわたって、
フッ素化地域と非フッ素化地域とでの虫歯の発生率には殆ど違いが見られなかった 〔7〕
。 同じデータでも、 より詳細に測定すると、 フッ素化には利益が見られるという主旨の論文も出たが、 これは歯面数でいって約20%の減少であり、
子供一人あたり虫歯の数でいえば1本以下になる〔8〕
。
この報告には、 統計解析の欠陥を含めて深刻な誤りが指摘されており、 その事は 〔当事者も〕 認めてはいるものの未だに訂正されていないのであるが、
フッ素化地域と非フッ素化地域の虫歯の減少率をパーセントでは表していないのである 〔7〕。
〔訳者による脚注:1〕
その他にも、 アメリカのミズーリ州とアリゾナ州で行われた大規模な調査が、 同様な結果を示しており、 飲料水フッ素化には真の利益が認められない 〔9,10〕 。 例えばタクソンのスチールリンク教授は、 全学童26, 000人について虫歯の現状と飲料水中のフッ素濃度との情報を集め 〔10〕 、 次のような発見をした。 「虫歯の発生率と、 飲料水中のフッ素濃度とをプロットして見ると、 正の相関性が認められた。 これを別の言葉でいえば、 子供がフッ素を飲めば飲むほど、虫歯ができるのである」 〔11〕。
そのほかオーストラリア、 イギリス、 カナダ、 スリランカ、 ギリシア、 マルタ島、 スペイン、 ハンガリーなどでも同様な結果が得られている。
即ち、 飲料水中のフッ素と虫歯との関係性は全く認められず、 強いて認めるとすれば、 正 の 相 関 性
(フッ素が多ければ虫歯も多い) だけなのである
〔12―17〕 。
もう一例をあげる。 インドのテォティア教授らのチームは、 30年間に40万人の子供について調査しているが、 彼らが発見したのは
「フッ素の摂取が多くなれば虫歯も多くなる」 という事実であった。 彼らは、 虫歯はカルシウムの欠乏と過剰のフッ素によって起こると結論している
〔17〕 。
■虫歯の減少の原因
最初に私や同僚たちが考えたのは、 西欧諸国で虫歯が減少している主な原因は、 飲料水以外の別なフッ素の使用による、 という事だった。
しかし、 こう主張しようとして困るのは、 虫歯が劇的に減少した非フッ素化地域でフッ素入り歯磨き剤を使用している子供はごく少数であり、
フッ素塗布を受けている者もなく、 フッ素錠剤に及んでは、 いわずもがなという事実だった。
そこで、 私は、 歯科室における 1930 年代からの5歳児 (非常に多数) の虫歯の発生率を国の統計値で調べてみた 〔18〕 。 それを見ると、 虫歯の減少は、 フッ素の使用のはるか以前から始っていた。
また、 その減少は、 全ての子供たちがフッ素を使用するようになってからも一貫して続いており、 これではこの減少がフッ素によるものだということは到底できない。
年長の子供たちのデータは5歳児より数が少なかったが、 減少のパターンは同様であった 〔18〕
。 そうである以上、 フッ素は虫歯の減少に貢献するとしても主な原因ではありえない。
それでは、 殆どの産業国家で起こっているこうした虫歯の減少の原因は何か。 私にもその確かな答はわからない。 わかっているのは、 第二次大戦以後多くの人たちの生活水準が向上してきたという事実である。 多くの国で1930年代あたりから新鮮な果物や野菜の消費が激増し、 冷蔵庫の普及がそれを助けた 〔19〕 。 チーズの消費は一人当たり8倍にものぼり、 それが如何に虫歯を防ぐ性質があるかは分かっているのである 〔19,20〕 。 これらの栄養上の変化は虫歯が減少しているのと同じ時期から起こっており、 フッ素の導入以前から始まっているのである。
全身的な栄養の虫歯予防効果は、 過去には十分に記載されていたのであるが 〔21〕 、 歯科保健の改善を何でもかんでもフッ素の効果にしたがる熱狂的なフッ素論者のため、 それらは殆どが無視されてきた。 第三世界の諸国における虫歯の増加は、 大部分栄養の劣悪化に帰せられるのであり 〔22〕、 栄養条件の改善こそが歯科保健の改善に貢献するとの主張に支持を与えているのである。
■研究のいつわり
1980年代以降、 フッ素化による利益は、 もしあるとしてもごくわずかなものだという様々な研究が発表されてきた。 これと対照的な発見はあるのだろうか。
もちろん多数の研究があり、 フッ素化は歯にとって有益だという主張が歯科の雑誌に発表されている。
その一例に、 ニュージーランドの最南部の郡のある地域について行われた最近の研究がある 〔23〕
。 ニュージーランドの虫歯の発生率は、 全国的に見ると、 フッ素化非フッ素化地域にかかわらず、 非常に高いものから非常に低いものまでまちまちである。
他の国でも事情は同じだろう。
ニュージーランドの歯科大学のフッ素賛成派が行った研究とは、 まず南部から4つ自治体を選抜する事であって、 そのうちの1つは非フッ素化地域であり、
2つはフッ素化地域、 残りの1つは数年前にフッ素化を中止した地域であった。
これらの地域の虫歯の発生率は、 学校歯科の調査から入手できるが、 彼らは結論に都合がよいように、 発生率が最も高い非フッ素化地域と、
低いフッ素化地域とを選び出し、 たまたまその中間の発生率 (フッ素化以前とフッ素化中止以後の両方とも) を示すフッ素化中止地域とを比較した。
そしてその地域の子供たちをアトランダムに選んで標本とした。 しかし、 地域の選び方は、 けっしてアトランダムではなかったのである。
この結果は、 人目をひくようにまず最初にニュースとして流し、 フッ素化地域においては50%も虫歯が減少し、 最近フッ素化が中止された地域ではその
「中間」 の状態であるとして発表された (図2左を参照)。 私がニュージーランドのフッ素化地域、 非フッ素化地域、
フッ素化中止地域の児童全員の虫歯の発生率を調べたところ、 フッ素化とは無関係に、 虫歯の発生率は全く相違がなかった (図2右を参照)。
この情報を先の研究を行った著者に見せたところ、 彼らの研究は他の研究とも一致しているという答えが帰ってきた。 確かにそれはそのとおりであろう。
なにしろ歯科の専門誌には、 同様の研究が多数発表されているのである。 「一致している研究」 の結果がどのようにして得られたのかは簡単に理解できよう。
あらかじめ適当に選抜された地域が比較された結果なのである。
一致するにはもう一つ要因がある。 それは、 フッ素賛成派の殆どの研究が (このニュージーランドのものを含めて) 「目かくし法」
を用いていないという事であり、 これは、 どの子供がフッ素を用いており、 どの子供が用いていないかをあらかじめ検査者が知っていた事を意味する。
虫歯の診断は主観的なものであって、 大抵の検査者は熱心なフッ素化論者である。 そうであって見れば、 彼らの偏りが結果に影響するのはたやすく理解できる。
フッ素化非フッ素化の標本数が同様で、 かつ、 アトランダムに選抜された 「目かくし」 研究など、 どこにも見つけることができないのである。
■初期のフッ素研究のいつわり
教科書にあげられているフッ素化研究の初期のものに 「ヘイスチング・フッ素化実験」 というのがある。 この言葉のうちの 「実験」
という呼び方は、 のちには使われないようになった。 地元の人々が実験されたということに拒否感を示したからである 〔24〕 。
私はニュージーランドの 「公共情報法」 により、 保健局のこの記録を入手した。 これを見れば、 関係者が如何にフッ素化試験を操作したかが明らかである
〔25〕 。
まず、 フッ素化が行われる地域の学校歯科医らは、 虫歯の診断方法を改めるように指導された。 フッ素化が開始した後で虫歯が如何にも少なくなったかのように記録するためにである。
フッ素化実験が始まる前に、 学校歯科医は、 歯のごく表面のエナメル質の表層だけの変化でも全て充填した。 (これは検査の上では
「虫歯」 と判定される。) 「虫歯および充填された歯」 の数が、 フッ素化後なぜ急速に減少したかは、 これでたやすく理解できよう。
このように診断方法が変更された事は、 この実験の報告書のどこにも触れられていないのである。
ネイピァーという別の都市は、 フッ素化されていなかったにもかかわらず、 同様な飲料水を有しているとして、 「理想的な比較対照コントロール」 として最初はフッ素化都市のヘイスチングと同じ虫歯が減少していない地区に包含されていた。 しかし、 如何にフッ素化都市の方が虫歯が少なくなるように操作しても、 実際に非フッ素化都市の方が虫歯が減少しているのが分かると、 今度はこれをコントロールから外し, 実験は比較対照なしに続行されたのである。 (その口実として、 以前には知られていなかった微量元素のモリブデンが、 コントロール地区の土壌から見つかり、 これが異常に虫歯の発生率を減少させているのが分かったというのであるが 〔26〕 、 こんな言い訳は、 ニュージーランド全域の虫歯の発生率に関して得られる情報の上で、 何らの根拠もない。)
フッ素化を開始した当初における虫歯の急激な減少と、 それに引き続く減少は、 ニュージーランドならどこでも起こってきた事実で、 今では周知されているが、 これらは全てフッ素化の成果だと主張された。 政府のファイルに残っているこの事実は、 国際環境雑誌の 「エコロジスト」 に発表され、 1987年の第56回オーストラリア・ニュージーランド科学協会の協議会でも発表された 〔27〕 。
私が研修を受けている期間にテキストととして配布されたこの古典的なフッ素化研究を再検討してみると、 その前に配布されたものと同様に、
重大な間違いがある 〔28―30〕 。 これらの初期の研究は、
虫歯と天然フッ素濃度との間に 「逆比例」 の相関性があると主張しているのであるが、 標本の選抜がアトランダムでない所に主な間違いがある。
そして後の研究では、 そもそもニューバーグ市、 グランドラビッズ市、 エバンストン市、 ブラントフォード市などの 「フッ素化試験」
のベースラインそのものが不適当であり、 無視すべき解析に強いて意味を求め、 特にコントロールに選んだ地区の虫歯の発生率が大きく異なっているのを無視した事などでもまちがいを冒している。
我々は、 これらの研究で見られる虫歯の減少が、 果たしてフッ素化によるものかどうか、 本当の事は何も知る事ができないのである。
私はこんな選抜の仕方や偏りが、 必要に迫られて故意に行ったものだとは信じたくない。 一つの理論に熱中する者が理性を失う事はよくあることであり、
そうなると、 それによる活動こそが純粋に科学的だと自他とも思い込ませることになる。 50年もの間いたる所で受容され提唱されてきたこの水道フッ素化について、
当初の研究そのものが不適切だったと述べた所で、 多くの学者 (この一文の読者を含めて) の賛意を得るのは困難であろうとは、
私にしても気づいていないではない。 しかし、 こうした認識こそが、 「少なくともある種の学問的討論が起こる」 ことを願う、
新旧の証拠の検証をあえて提唱させるのである 〔31〕
。
しかも、 当初の研究が妥当だったかどうかとは無関係に、 新しい証拠が強く主張しているのは、 現在行われているフッ素化は、
もし有効だとしてもその効果はごくわずかであろうという事である。
さらに最近になって広く認められ出した説は、 「歯に対するフッ素の主な作用は局所的 (歯の表面における) なものであり、 以前に考えられていたような全身的なものではなく、
フッ素を飲み込むことには殆ど意味がない」 〔32〕 と述べている。
■フッ素化の為害性
私が立場を変えるに至った別の事実に、 フッ素化による障害があった。 我々は世間に対し、 「フッ素化には、 完璧なまでに何の害もない」
と説くのが常であった。 我々は低い割合で子供に歯牙フッ素症が起こるのは知っていたが、 このエナメル質が形成される時期に生じる害はごく軽度であり、
心配は要らないと説明してきた。 我々の説明では、 歯牙フッ素症はフッ素の毒性の真の徴候などではなく、 殆どのものは軽度で単なる審美的な変化にすぎず、
健康障害などというものではなかったのである。 しかし、 いかに多くの初期の文献が、 歯に対するフッ素のこの臨床的な作用が、
真の毒性の発露であるかを述べてきているのである。 実は我々は、 従来なら専門家だけが看破できた事を単に強弁していたのにすぎない。
■歯に対する障害
そのような訳で、 私は私がフッ素化を行った都市で、 図3に示したような歯をもつ子供を発見した時には、 非常なショックを受けた。
このような斑点をもつ歯が 「歯牙フッ素症」 といわれるものである (エナメル質の成長線にそって左右対称的に広がる白斑)。 このような歯をもつ児童には、
フッ素入りの歯磨き剤を飲み込んでいる者が多い。 しかし、 私は、 私が管轄していた保健区域のフッ素化していない地域では、 こんな子供を見た経験がない。
尤も、 例外として、 当時推奨されていた量のフッ素錠剤を飲んでいた者は別であったが。私はこの知見を報告として発表した。 その骨子は、 「フッ素化しているオークランド市では25%の子供に歯牙フッ素症が認められ、
3%が重症型(変色および歯質のあばたの状欠落) だった」 というものである 〔33〕
。 最初、 行政は、 フッ素がこの見苦しいあばた状の歯など起こすものではないと強く主張していた。 しかし、 私の発見を打ち消す目的で翌年に行われた別の研究で、
私のと同じような発生率と重度で歯牙フッ素症が報告され、 その論文は、 水道水中のフッ素濃度を 1 ppm 以下に低下させることを勧告した
〔34〕 。 ニュージーランドやアメリカの別の研究も、
同様な発見を報告した。 これらの研究は国際フッ素研究学会雑誌上で論評されている 〔35〕
。
フッ素の全身的投与による不幸な結果は、 同様にフッ素補助剤の投与を受けていた子供についても報告されている 〔36〕
。 この結果、 ニュージーランドばかりかどの国でも、 フッ素錠剤の用量は急激に低いものとなり、 親たちは子供が使うフッ素入り歯磨き剤の量についても、
これを減らした上けっして飲み込ませないようにとの警告を受けたのである。 そもそもフッ素化論者たちは、 フッ素化水道がこんな見苦しい歯牙フッ素症を起こすことなど、
けっして認めていなかったのではなかったか。 それが、 後になっては、 ニュージーランドを含めてどの国でも、 水中のフッ素量を低下させるように勧奨しているのである。
それでもなお彼らは、 フッ素の利益はどんな為害性にも勝ると主張している。
■脆くなる骨
常識は我々に、 次のように語りかける。 もし毒物が子供の体内を循環して歯を作る細胞を障害するのであれば、 他の細胞にも同様な障害を与えるのではないだろうか。
かつては我々は、 過剰なフッ素が歯と同様に、 骨にも害があることを常に認めていたのである。
1983年には、 私は、 フッ素化には利益より害が多いことを完全に認識するようになっていた。 私は、 歯牙フッ素症にかかっている子供のある者は、 骨にも障害があるという意見を具申した。 〔オークランド地区行政への書簡、 1984年1月〕。 この意見は侮蔑と嘲笑しかもたらさなかった。 かつて私の同僚だった歯科医師らは、 低量のフッ素は歯牙フッ素症以外の障害など何一つひき起こすものではないと主張したのであった。
その6年後に、 フッ素化と高齢者の腰部骨折との相関性に関する最初の論文が公表された 〔37〕
。 それは大規模な研究であった。 コンピューター化が様々な疾病に関する広範なデータの蓄積を可能にしたのである。 腰部骨折の発現率は、
人口の高齢化という要因とは独立して、 劇的に増加していた。 今ではその他にも7つもの研究が、 飲料水中の低量のフッ素と腰部骨折の相関性を報告している
〔38―44〕 。
これとは逆の発見はあるのだろうか。 確かにある。 しかし、 相関性がないと主張する研究の殆どは、 少数の標本を短期間について解析したもので、
はじめから何の関連性も期待し得ない性質のものであった 〔45, 46〕
。 その他に、 カナダのフッ素化地区と非フッ素化地区を比較した研究では、 男性では認められるが女性では認められず、 全体ではかろうじて無関係となっていた
〔47〕 。 フッ素化論者はそのような相関性を認めた研究は疫学研究だけで臨床的なものではなく、
従って結論的な証拠は何一つ得られていないと主張する。
しかし、 これらの疫学的研究に加えて、 臨床的にも次のような研究があきらかにされているのである。 すなわち、 骨粗鬆症の治療のために
(フッ素は骨を強くするという信条がある) フッ素を使用すると、 本当のところ、 かえって腰部骨折を増加させるのである 〔48―52〕 。 これは骨にフッ素が蓄積すると、 骨を弱くするということを示している。
我々の誰もが、 飲み込んだフッ素の約半分は尿から排泄され、 残りは骨に蓄積するということを承知している 〔53,
54〕 。 しかし、 フッ素化水というようなごく低量のフッ素では、 こんな蓄積は取るに足りないと思われてきた。
ところが、 1980年代のフィンランドでは、 フッ素化都市のクオピオ市で10年以上も暮らした者の骨には、 何千 ppm という高濃度のフッ素が、
特に骨粗鬆症患者と腎機能障害者の骨に蓄積していることが報告された 〔55,
56〕 。 この研究が発表された後、 フィンランドのフッ素化は全廃された。 しかし、 この情報はニュージーランドのフッ素化論者には全て無視されたのである。
〔訳者による脚注:2〕
■骨のガン
フッ素化による骨の障害の証拠は、 腰部骨折だけではない。 5年前に、 フッ素と関連して、 若いオスのラットに骨肉腫という稀な骨のガンが発生するという動物実験が報告された
〔57〕 。 なぜオスだけにこのガンが発生するのかは不明であるが、
別の研究によると、 極めて低レベルのフッ素が、 男性ホルモンであるテストステロンを阻害すると報告している 〔58〕
。 このホルモンはオスでは骨の成長に関与するが、 メスでは関与しない。
この発見は、 フッ素化の推進者からは 「どちらともとれる証拠」 として軽く扱われ、 ヒトにとっては重要ではないとみなされた。
しかし、 今ではこの稀な骨のガンが、 若年男性の間で急増−フッ素化地区における 9 〜10歳の少年、 非フッ素化地区においては認められず−しているのである
〔59〕 。 アメリカ、 ニュージャジー州の衛生局は、
フッ素化地区においては、 非フッ素化地区に比べて、 こ
のガンが4〜5倍も多いと報告している 〔60〕 。
もう一度繰り返す。 わが国のフッ素化論者は、 フッ素がガンを起こすかどうかに関するこれらの証拠は 「決定的」 ではないとして、
いつも相関性なしとする小規模な研究だけに言及する。 そのうちのある研究などは、 フッ素は骨肉腫に対しては予防的であるとすら主張しているのである
〔61〕 。
その研究は、 130例のうちにたった42例の男性例を包含しているにすぎず、 これではこの疾病の典型と見なす事はとてもできるものではない。
というのも、 骨肉腫は男性では、 日常もっと多く認められるものだからである。 また、 この研究の比較対照の手法は極めて不適切である。
なぜなら、 もしフッ素がガンの原因なら、 骨肉腫の被害者は、 そうでない者より、 より多量のフッ素に曝露されているのが当然と仮定しているからである。
たとえ同量でも、 被害者は感受性がより高かったためなのかもしれないという可能性は一切無視されているのである。 かくして、 フッ素が骨ガンを惹起するという証拠に対する反論は、
これをあやまちだと断定する厳しい吟味を逃れることができない 〔62,
63〕 。 それにもかかわらず、 フッ素化のロビイストは、 「フッ素化は続行すべきであり、 歯に対する利益はどの障害の可能性より優っている」
というのである。 こんな評価には、 多くの者が異論を唱えている。
■その他の障害の証拠
その他にも、 フッ素化水による障害は、 別に歯牙フッ素症だけではないという多くの証拠がある。 ポーランドの研究者は、 コンピューターと組み合わせた新しいX線診断方法を用いて、
歯牙フッ素症を有する複数の少年が、 同時に骨の構造にも障害を起こしている事を示した 〔64〕
。 よりぞっとさせるのは、 歯牙フッ素症を有する子供らの知能指数が低下しているという中国の報告である〔65,
66〕。 この発見は、 フッ素が脳のある部分に蓄積し、 それが行動や学習能力に悪影響を与えているという、 最近発表されたアメリカの実験によって支持されているのである
〔67〕。
■フッ素の推進は世界的ではない
頻繁に繰り返し主張される 「フッ素化は圧倒的なまで科学的に推奨されている」 という言説に関して一言述べておく。 どの様に強力に支持されている理論であろうと、
結局は見直され、 新しいものに変わってゆくという事を思い出すべきである。 フッ素化はそもそもその開始の時から、 脅しや圧力にもかかわらず、
卓越した科学者らが反対してきたのである 〔68, 69〕
。
世界の大部分はフッ素化を否定している。 これを開始したアメリカと、 アメリカの強力な影響下にある国々だけが、 なおこれを実施しているだけである。
デンマークは、 国立環境保護局があらゆる範囲からの科学的意見を検討した結果、 低量のフッ素を長期間摂取することが、 国民のある者
(例えば、 腎機能の低下している人たち) にとってどのように影響するかは十分に明らかではないという指摘を受けて、 フッ素化を廃止した
〔70〕 。
スエーデンは、 フッ素 に関する 特別委員会 の
「フッ素の複合的かつ長期間の環境影響は、 十分に分かっていない」 という理由を含む勧告を受けて、 フッ素化を否定した 〔71〕 。
オランダは、 臨床医師らのグループによる、 フッ素化が国民のある人たちの神経や筋肉、 胃腸系に可逆的な障害を起こす証拠の提出を受けた後、
フッ素化を全廃した 〔72〕 。
環境科学者らは、 多くのほかの科学者らと同様に、 フッ素化には疑問を抱いている。 アメリカにおいてすら、 合衆国環境保護庁
(EPA) の科学者らは、 彼らが属している庁のフッ素賛同政策を公然と否定しているのである 〔73〕
。
医学の主流の幹部らは、 環境問題には弱いか、 もしくは無知である事が多く、 フッ素問題に熱心な大多数の歯科医師と同様、 フッ素化の支持を続けている。
英語圏の国家において、 医師やそれと同盟関係にある製薬業界 (フッ素を販売する人々) のロビーが、 環境論者より、 はるかに強く政治的影響を受けているもののように見受けられるのは、
極めて不幸である。
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解説および訳者による脚注
■初出誌および原著者について
原著の初出誌 PERSPECTIVES IN BIOLOGY AND MEDICINE はアメリカ合衆国屈指の名門であるシカゴ大学の出版部より年4回発行されており、
生物学および医学領域では高級誌と目されている。 シカゴ大学の世界レベルでの評価については改めて解説するまでもないであろう。
この雑誌の目的は、 当該科学の領域における新しい思想や独創的な考えの論文を知的社会に伝達することにあるといわれており、 査読の厳しいことで有名である。
本論文はジョン・コフーン博士のいわば 「白鳥の歌」 である。 ニュージーランド小児歯科学会会長をつとめ、 その後ニュージーランドの公僕としてフッ素化を推進した後、
その害に気づいてから勇気を奮って立場を変え、 フッ素化反対者として縦横に健筆を振るった彼は、 この総説を発表してからは徐々に健康を害し、
公的な立場から一切退き、 悠然として昇天した。 フッ素論争における彼の思想の先駆性と博大な学識とは、 後代に深甚な影響を与え、
国際フッ素研究学会雑誌 「フルオライド」 は彼の死を悼んで追悼号を刊行した。 彼の生涯にわたる業績と関係文書は、 ニュージーランドのウェリントンの図書館に収蔵されている。
私は生前コフーン博士より、 彼の全文業について翻訳の許可を頂いており、 本稿はこの約束の下に行ったものである事を付記しておく。
■訳者による脚注
1. この報告とは、 引用文献8の Brunelle JA, Carlos JP の論文をさしているのはいうまでもないが、
足早に読むと、 この部分はよほど事情に通じていない限り真意が判然としない憾みがある。 学術論文では、 ふつう端的な表現の批判をはばかるという習慣があり、
このために第三者にとっては意味が不明になる事も少なくない。 読者の中には専門家でない方も多いと思われるので、 多少くどくなるが注釈を施しておく。
Brunelle と Carlos の論文で使用された統計データは、 コフーンが本文でも述べているようにアメリカの国立歯学研究所 (NIDR、 現在は国立歯学頭蓋顔面研究所 NIDCR と改組) が行った虫歯の発生率とフッ素の効果とに関する大規模な疫学調査の結果である。 この研究のために NIDRは数百万ドルという巨費を投じた。 しかし、 この官庁は、 この結果がフッ素化を支持するようなものではないとわかると、 データそのものを握り潰しにかかったと伝えられる。 この結果に関する公的な報告書が行政の名で何ひとつ公表されず、 イ博士 の 研究 が 広まってから慌てるようにしてBrunelle、 Carlos という二人の NIDR の研究者の名前で発表された所以である。 こういう国民をバカにしたような事をアメリカの行政がよくやる事は、 日本人も知る必要がある。
言うまでもない事だが、 フッ素が虫歯を防ぐという理論のもととなった研究は、 アメリカ公衆衛生局の官僚であったディーン歯科医師が、
第二次大戦直前から戦中にかけて行った疫学調査である。 彼はこの調査で、 アメリカの4州21都市の児童7257人の歯を調べて、
その子供らが使用する飲料水中のフッ素濃度と虫歯の発生率との間に 「逆比例の関係」 があると発表した。 そして、 この関係性は世界中で通用する普遍的な現象だとした。
その結果、 「21都市研究」 という名で呼ばれるようになったこの研究は、 戦後の歯科の世界で過剰なまでに有名になり、 これと似たような結果を示す研究が世界各国から相次いで発表された。
この功績により、 ディーンは後の NIDR の設立に際して初代所長に就任した。 アメリカ政府の後押しで戦後に創設された WHO
が、 加盟各国に水道フッ素化を推奨したことはよく知られていよう。
しかし、 戦後の混乱が徐々に収まり、 フッ素に関する医学的研究が進むにつれて、 ディーンの結果を否定する研究の発表も少なからず行われ、
フッ素の害に関する研究とともに、 フッ素の虫歯予防効果そのものが疑われるようになってきた。 インドのティオティア教授などは、
30年にわたって延べ40万人もの児童の歯を調べ、 フッ素と虫歯の発生率との間には 「逆比例」 の相関性などどこにも認められず、
歯を良くするには、 フッ素の摂取を少なく、 カルシウムの摂取を多くする必要があるという結果を発表したのはコフーンが述べているとおりである。
これら一連の研究の結果を比較する際のキィワードは、 DMFT という指数である。 これは D (虫歯になっている)、 M (虫歯で抜歯された)、
F (虫歯で充填された)、 T (歯) の合計数を意味する。 つまり、 口腔検診してこれらの歯の数を勘定し、 Aという子供にこれらの歯が10本あれば、
Aの DMFT=10 であり、 Bという子供が5本であれば、 BはAより50%虫歯が少ないというふうに表現できる。
さて、 ここで話は前に戻って NIDR の調査になるが、 生化学者ジョン・イアムイアニス博士は、 当局が渋って結果を公表しないナマのデータを情報公開法に訴えて入手し、
その結果を解析して論文として発表した。 これが引用文献7の研究である。 イ博士は当時アメリカにおけるフッ素化反対闘争の闘将であり、
フッ素化の推進が極めて非科学的なドグマに基づく政治運動にすぎない事を強烈に指弾しつづけていた。
果せるかな、 イ博士の解析の結果は、 彼の従来の主張を強力に支持するものとなった。 DMFTという指数を使って比較する限り、
フッ素化による虫歯の予防効果などどこにも見つけることができなかったのである。 この論文を発表した直後に、 イ博士は日本フッ素研究会
の 招きに応じて来日し、 東京および新潟市で講演を行った。 その内容は 「フッ素化が何で虫歯の予防になるのか」 (フッ素研究・第11号・6
〜12頁・1991) という記録にまとめられており、 イ博士の原著は、 今ではインターネットで読むことも可能である。
(http://www.fluoridealert.org/DMFTs.htm)
イ博士の論文は、 アメリカ公衆衛生局に痛烈な打撃を与えたようである。 口腔検診や調査までイ博士らがやったのであれば、
「歯科の専門家でない者に虫歯が診断できるか」 とか何とでも難癖のつけようがあるが、 これらは全て同局傘下の NIDR の歯科の専門家が行った調査であり、
データの解析に関しても、 イ博士はあらぬ難癖をつけられないように極めて厳密に行っている。 そこで窮余の一策として、 当局は
DMFT は異なる DMFS (DMFの意味は前述と同じ。 Sとは、 歯の面を意味しており、 臼歯で5、 前歯で4と算定される)
という指数を使用し、 データも適当に改竄してイ博士とは異なる結果を提出し、 何とか辻褄を合わせることにしたらしい。 Brunelle
とCarlos が使用した数字が如何にナマのデータとちがうか、 イ博士は遠慮なく暴いている。 コフーンが控え目に 「この報告には、
統計解析の欠陥を含めて深刻な誤りが指摘されており、 その事は 〔当事者も〕 認めてはいるものの未だに訂正されていない」 といっているのはこの事である。
その結果、 DMFT では全く差異が認められなかったフッ素による虫歯予防効果が、 DMFS では18%は虫歯が減っていると思わせるような結果が出せた。
これを根拠に彼らは、 「この結果は水道フッ素化が虫歯の減少に主導的な役割を果たしている事を示唆しているものであり、 フッ素化は
〔虫歯を減らすための〕 主要な手段として続行されなければならない」 (訳・村上) と述べているのである。 NIDR が言いたかった事は、
この数行であったことが実にミエミエなのは、 フッ素の発ガン論争における NTP 報告と全く同様である。
しかし、 こんな数字にどんな意味があるのか。
ニューヨークのセントローレンス大学のポール・コネット教授 (化学) は、 彼らのごまかしの手口について、 次のように容赦のない批判をしている。
(IFIN #235 : Revising the Brunella & Carlospaper、
関連インターネットサイトhttp://www.fluoridealert.org/ifin―291.htm 翻訳・村上
徹)。
合衆国国立歯学研究所がアメリカ国内の84自治体の児童39000人について行ったこの調査は、 フッ素と虫歯に関してアメリカで行われた最大規模の調査であるが、
フッ素化地域と非フッ素化地域とで、 児童の永久歯の虫歯の発生率に 殆ど差異が認められなかった (Hileman, 1989年、
Yiamouyiannis, 1990年)。 精々大きく見積もっても、 DMFSで18―25%の差異であるが (Brunelle
and Carlos, 1990年)、 この差異は歯数にして1以下である。 何しろ口の中には歯の面が128もあるのである。
以下この説明をする。
最初に、 口の中の歯の面がなぜ128なのか説明する。 歯は六面立方体として扱うことができるが、 一つの面は既に歯根につながっているため、
虫歯に関係してくる歯1本あたりの歯面は5面である。 大人では上下16本づつ32本の歯があるが、 子供では智歯4本を除くので28本になる。
従って子供の口の中の歯面の合計は、 5×28=140となる。 しかし前歯の6本、 上下12本の歯の先は 〔切端〕 といって薄く尖っており、
虫歯とは無関係とされ、 除外する。 従って DMFS (虫歯になった、 抜歯された、 充填された歯の面) の基礎として計算される子供一人あたりの歯面数は、
140−12=128 となる。
Brunelle と Carlos の論文は、 表6において、 それまでの人生を同じ地域で過ごした5〜17 歳児のDMFS の平均は、 非フッ素化地域 (8233人) で 3. 39、 フッ素化地域 (8165人) で 2. 79 だと報告している。
この 3. 39 と 2.79 の差の 0.6 が DMFS の差である。 しかし、 128歯面のうちの 0.6面、 換言すれば、 0.6/128×100%=0.47%として計算される虫歯の発生率の減少が、 あまりにも小さいのは誰にでもわかろう。
しかし、 Brunelle と Carlos のやり方で計算すると、 この差異はもっと大きいように見せかけることができるのである。 彼らはこの差 (0.6 歯面) を、 非フッ素化地域の子供の DMFS の総数 (3.39) のパーセントとして取り扱う。 つまり、 0.6/3.39×100=17.69%≒18%と計算するのだ。 これは別の言葉でいえば、 「3.39と2.69の数の間の相違は18%だ」 というのと同じである。 こんなやり方に気づかず表面的に論文を読みとばすと、 うっかりして、 フッ素にはやはり相当な利益があるという印象を抱かされかねない。
また、 彼らは、 解析から 「フッ素のサプリメントやフッ素塗布によるフッ素の曝露を受けた子供」 を除去することにより25%という数字を作り出す。 このためフッ素化地域の児童数は3374人に、 非フッ素化地域の児童数は2380人にと、 低くなるのである (726頁)。
以上の話は、 要するに、 少い数の中のごく小さな変化でも、 パーセントとしては大きな変化を作り出せるという事なので、 これがごまかしであるのはいうまでもない。
こんなパーセント計算の泥沼に迷い込みたくない者は、 ただ次のように覚えておけばよろしい。 即ち、
「合衆国で行われた最大規模の調査によれば、 非フッ素化地域とフッ素化地域で生活し続けた5〜17歳の子供の虫歯の状況の違いは、
永久歯の歯面 128 のうち 0. 6 にしかすぎなかった」 のだと。
こんな利益ともいえない便益のために、 各国のフッ素化主義者は、 「子供の中枢神経から高齢者の骨にまで障害を与えかねないフッ素の危険性を甘受しろ」 というのである。 そしてそのために、 インフォームド・コンセントもなしに我々の喉にフッ素という薬物を注ぎ込むために、 彼らは古代アテネの酷薄な執政官グラコンの如く 「政治権力」 を振るうのである。
誰がこんなシナリオを書いたのか。 カフカか。 それともジョージ・オーエルなのか。
ジョージ・オーエルの不気味な小説 「1984年」 を読んだ者は、 ハタと膝を打って納得が行くに違いない。
私はこれまで機会ある毎に、 フッ素が有効であると主張する学術論文には、 アメリカの行政がフッ素化を擁護するための意図的なディスインフォメーション
(偽情報・攪乱情報) が混じっていることに注意を呼びかけてきた。 上記の論文などもその一例である事はいうまでもない。 こんなまともな研究ともいえないような曲説が、
レフェリーの査読でチェックもされずに堂々と受容され雑誌に掲載されるのが、 予防歯科学あるいは口腔衛生学という領域らしい。 この世界では、
科学精神などはとっくに死に絶え、 政治の思惑が科学的真実をも支配しているのである。 まさにかつてのソ連の農学、 生物学をメチャメチャにした
「ルイセンコ学説」 のアメリカ版だといえよう。
折しもわが国では、 複数の口腔衛生学者が、 歯科医師国家試験の問題漏洩の咎で刑事裁判にかけられている。 この領域の学者らの知的倫理v的レベルの衰退は、
内外ともまさに末世的である。
■訳者による脚注
2. アメリカやイギリス、
カナダ等の先進国では、 フッ素化によって骨にどの程度のフッ素が蓄積するかを調べる研究は、 これまで殆ど行われてこなかった。
当局がそのような研究を恐れたからである。 この点、 自由を標榜するアメリカも、 政府にとって都合の悪い事は抑圧する点で、 官僚体質は旧ソ連の強権国家とそんなに変わらない。
幸い、 フィンランド政府は、 フッ素化政策には中立であったため、 こんな研究が許された。
しかし、 1970年代に広州市のフッ素化でひどい被害が明らかになった中国では、 その解明の過程で、 フッ素化以前に死亡した7体と、
フッ素化13年後に死亡した8体の人骨 (いずれも40歳以上) を墓から掘り出して骨中のフッ素量を比較する研究まで行った。 その結果、
フッ素化により、 骨中のフッ素量 が著しく増大した事が明らかになった。 この論文は英語で書かれていないため、 まだ殆どの欧米の学者は知らずにいるようである。
(参照:付表・陳安良ほか・広州市環境フッ素と水道フッ素化に関する討論意見・フッ素研究第4号・19―23・1983)
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H<H0.05 P<0.05 |
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