ご挨拶
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第10回EESハンズオンセミナーin山形
山形大学医学部耳鼻咽喉科 欠畑誠治
第10回EESハンズオンセミナーin山形のテーマは“A New Age in Ear Surgery – How to achieve safe surgery with predictable outcomes”としました。
2021年は耳科手術にとって特別な年といえます。SwedenのCarl Nylenが他の領域にさきがけて、手術用顕微鏡を用いたMicrosurgeryを耳科手術で行ったのが、今からちょうど100年前の1921年でした。そして双眼式手術用顕微鏡が開発されたのが70年前の1951年。OPMI-1と呼ばれるこの顕微鏡はHorst Wullsteinにより耳科手術に応用され、画期的な鼓室形成術を生み出すことになります。耳科手術は、「Microsurgeryにより従来の方法ではたどり着けない新たな次元へと到達できた」のです。
一方、顕微鏡を用いた耳科手術の限界に気づいた先駆者がいました。Yasuya Nomuraが針状鏡と呼ばれる細径の内視鏡を開発し、“hard to reach areas”の観察に成功したのが、1981年。今から40年前のことでした。
そのような耳科手術にとって節目の年である2021年に行う第10回EESハンズオンセミナーin山形では、現在ある最新の光学機器や手術支援機器を用いて、確実な結果をもたらす手術を、どのように安全に行うのかを語り合う場とし、耳科手術における“New Age”をともに創りだしていく新たなステップとしたいと考えております。
Session 1: How to Perform Safer Ear Surgery with Predictable Outcomes
Keynote Lecture 1-3では、Alicia M. Quesnel 先生(U.S.A)から、TEESを安全にトラブルなく実施するためのポイントについて、George Wanna 先生(U.S.A) からは最新の光学機器であるExoscopic Ear Surgeryについて、そしてYu Matsumoto 先生(JAPAN)からは、TEESを実施する上で有用な手術機器や使い方のコツ、秘訣などにつきレクチャーをいただきます。パネルディスカッションでは“New Age”における耳科手術のありかたについてとことん議論をしていただきます。
Session 2: Education & Training
Keynote Lectureの4ではNirmal Patel 先生(Australia)からOnline Videosを用いたNew Ageにおける教育について、そしてKishiko Sunami先生 (Japan)からは自らの経験に基づいたTEESのトレーニングについてレクチャーをいただきます。
Session 3: Interactive Cadaveric Dissection
Interactive Cadaveric Dissectionでは日本とヨーロッパをつなぎ、LIVEでダイセクションを行い、さらにチタン製の人工耳小骨を用いた鼓室形成術IIIcを実演いただきます。LIVE中にどんどん質問を受け付けます。
Session 4: Ossiculoplasty, Session 5: Micromechanics
聴力改善の要は耳小骨の連鎖再建です。TEESによる方法と長期成績についてMatteo Alicandri-Ciufelli先生 (Italy)からレクチャーをいただきます。そして、締めのセッションでは、耳小骨連鎖の基礎的な裏付けとなるBiomechanics について、その筋の権威であるAlexander Huber 先生(Switzerland)にレクチャーをいただきます。
Hands-onは山形大学式3Dモデル(2021版)を用いたpowered TEESのダイセクションを行います。
二日目は、当科で開発したpowered TEESを用いた弛緩部型真珠腫手術とpatch gainが不十分な慢性穿孔性中耳炎に対する手術を行う予定です。
今回は感染状況の改善やワクチン接種の普及を受けて、現地で開催することといたしました。一方で、依然海外からの渡航は容易ではないことから海外演者のレクチャーはリモートで行います。
楽しみな二日間となること間違いなしです。
News&Topics
- 2021.10.31
- 第10回内視鏡下耳科手術ハンズオンセミナーin山形の参加登録ですが、現地開催(実習)に関しましては定員に達したため締め切りいたしました。
現地開催(見学)、オンラインライブ配信につきましては、締め切り延長し11月19日(金)正午まで受付いたします。 - 2021.10.29
- ホームページを公開いたしました。