臨床実習の医学生へ

感染症は全身のあらゆる臓器に起こります。臨床医である限りは将来どのような科に進んでも遭遇します。感染症のカバーする範囲は幅広く、ハリソン内科学でも約3000ページの内、約600ページが感染症に割かれています。一方感染症内科での実習は2週間(エレクティブクラークシップでは4週間)ととても限られた時間で、経験できる内容も限られています。ですので、私たち感染症内科の実習では、今後皆さんが更に自分で学んでいくために役立つ、基本的な事柄を可能な限り修得していただくこうと考えています。

これまで基礎医学や臨床医学の講義で学んだ感染症・微生物・抗菌薬の知識を、小レクチャーを通じて復習・再整理していただきながら、目の前の患者さんへどのようにアプローチするかを実際の患者さんの診察を通して学んでいただきます。当科は主に他科(ほぼ全診療科)から月に約100件のコンサルトを受け、併診しています。他の内科系診療科とは異なり、一人の入院患者を2週間担当するのではなく、毎日一人以上の新規他科コンサルト症例を指導医・研修医と一緒に診察していただきます。診察および、診察後の指導医と研修医とのディスカッションを通して、鑑別診断を意識した問診・診察そして臨床推論の力をつけていっていただきます。また、毎日研修医・指導医を含むスタッフ全員で新規コンサルト症例を検討するミーティングでは、診察した患者の症例提示をしていただき、情報の適切なまとめ方、プレゼンテーションの仕方も学んでいただきます。臨床的に頻度の高い感染症(例えば肺炎、心内膜炎、髄膜炎など)については、毎日総説を読んでいただいた上で、要点を指導医と確認していただきます。

2週間の実習のうち2日間は聖路加国際病院の感染症科での実習になります。大学病院とは異なる患者層・疾患(とくに市中感染症)を経験する機会になります。エレクティブクラークシップでは、国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センターや癌研有明病院での実習も経験できる予定です。

参加型の要素を強く意識した実習になっていますので、学生の皆さんも積極的にできるだけたくさんのことを吸収してください。