感染症科|研修・教育体制

つくば感染症専門医育成プログラム

 2000年6月より新しく院内で活動を開始しました。HIV感染症やCOVID-19等の新興感染症について、病院総合内科・救急・集中治療科と共に主治医として診療を行うと共に、各科からのコンサルテーションに応じて、 担当科の主治医とともに患者さまの感染症治療に当たっております。当科では、感染症への対応は全てエマージェンシーであると考えて診療しており、電話などで連絡をいただいた際には、速やかに往診と治療法の助言を行うよう心がけております。

 また、診察依頼のあった患者さまについては、その後も可能なかぎり毎日状況を把握させていただき、その日ごとの患者さまの容体の変化に応じた最も適切な抗微生物薬の使用(薬剤の変更や過剰投与の防止など)を助言しております。また、看護部等と連携して当院の院内感染対策を行うことも、当科の大きな仕事です。

感染症科は感染症とその周辺の領域を広く扱っており、臓器特異的な診療科とは大きく異なります。感染症の診療にとどまらず非感染性疾患についても鑑別ができ、予防や院内感染対策についてもリーダーシップを発揮できるような人材育成を行います。研修内容については、できるかぎり個人の希望にあうように調整可能です。

感染症のリーダーとして活躍できる研修・国内外で活躍できる感染症専門医の育成

 感染症専門医研修は主に感染症専門医認定研修施設2か所(筑波大学附属病院・筑波メディカルセンター病院)において行います。筑波大学附属病院は、茨城県唯一の特定機能病院且つ高度救命救急センターを有しており、HIV感染症を含め、県内290万人の難治性感染症診療を集約的に経験することが可能です。

 また、感染管理や、専門的な感染症診療に必要な微生物検査・感染症検査について、教育サポートスタッフを配置しており、感染症診療の中で、感染管理、微生物検査を学ぶことができます。近隣施設からの相談を含め、年間1,000件を超える感染症コンサルテーションにおいて、指導医の指導の下で、1名1名丁寧に対応し、感染症のリーダーとして活躍できるような、プログラムを設けております。

 筑波メディカルセンター病院は、梅毒、麻疹などの一般的な感染症と共に、茨城県内の渡航前後の患者さんに対して集約的診療を行っており、年間3,000名を超える渡航診療を実施しております。また、県北、県中、県西地域の基幹施設や行政、県外感染症専門施設、海外施設とも積極的に連携しており、国内外で活躍できる感染症専門医を輩出しております。

筑波大学は世界トップクラスの研究を担う指定国立大学に指定されております。感染症分野では、感染症迅速検査の臨床研究から社会実装において、積極的な発信を行っており、日々、切磋琢磨しております。感染症診断、治療共に、日々進歩しております。現時点での根拠に基づいた感染症診療・感染管理を実践すると共に、次の時代を切り開く研究を積極的に推進しております。

フェローの1日とメッセージ

08:00

出勤

入院患者診察、カルテチェック

08:30

朝ミーティング

09:00

コンサルテーション

フォロー中の患者回診

12:00

昼食

13:30

ICTラウンド

15:00

感染症科カンファレンス

16:00

病棟業務

17:30

退勤

 私は、2020年度から筑波大学附属病院感染症科のクリニカルフェローとして研修を開始しました(当時医師7年目)。それまでは、筑波大学附属病院総合診療科で後期研修を行っていましたが、感染症の分野に興味を持ち、知識を深めてみたいと思ったのがきっかけでした。

 研修施設として筑波大学附属病院感染症科を選んだのは、後期研修を筑波大学附属病院のプログラムで行っていたということもありますが、一番はバランスの良さを感じたからです。日々の臨床では、外来・入院でのHIV感染症に加え、肺外結核や梅毒などを主科として担当できます。コンサルテーションも内科外科問わず各診療科から症例をご紹介いただけるため、腎移植後、心臓血管外科術後、膠原病、がん患者における感染症など、大学病院ならではの症例は十分経験できます。ほかにも、隣接する筑波メディカルセンター病院(TMC)では、梅毒などの一般感染症診療に加え、渡航前ワクチン接種や渡航後患者の診療を行うことができます。

 感染管理業務では、ICTの一員として院内ラウンドを行い、コロナの感染対策にも主体的に取り組んでいます。学生・研修医と関わる機会も多くあり、一緒に患者さんの診察をするだけでなく、レクチャーを通して自分自身の勉強にもなっています。研究においても、手厚いご指導のもと、早期から学会発表や論文執筆を経験することが可能です。私自身、2020年度から筆頭著者として3本の英文論文を執筆し、感染症学会より奨励賞(臨床)を受賞させて頂くことができました。

 このように様々な経験を積むことができるフィールドに加えて、バックグラウンドの異なる指導医の先生方から、多くのご指導をいただけることも魅力です。フェローが一人で責任を取らなければいけないことは決してなく、安心して研修をすることができる環境です。感染管理室、微生物検査室、薬剤部、事務部門などとのコミュニケーションも活発で、多職種協働を良好に行うことができます。

 生活面においても、つくばは住みやすい街だと思います。研究学園都市として活気がありながらも喧騒はなく、自然を身近に感じることができます。茨城は日本有数の農業地であり食も充実しています。また交通の便も比較的よく、電車一本で東京にアクセスすることができ、車があれば関東各地の観光名所にも行きやすく、空港も十分使える距離にあります。オン・オフがはっきりしているため、休みの日はリフレッシュすることができます。

 つくばでの感染症診療に興味を持っていただけましたら幸いです。ぜひ一度お越しください。お待ちしております。

施設の見学希望、研修に関する質問は、下記連絡先までお願いいたします。