中枢性神経細胞腫の病理 central neurocytoma

畑中佳奈子の症例と病理教室

無症状で偶然発見された38歳女性の症例



central neurocytomaが透明中隔 septum pellucidum から発生していることがよくわかる症例です。症状はありませんでしたが,この腫瘍がこのままのサイズで留まることはあり得ないので手術摘出を勧めました。これ以上大きくなると手術にしても放射線治療にしてもリスクが大きくなりすぎます。脳弓にくっつくので脳弓損傷を避けるのが手術のポイントです。脳室壁にくっつくのですが剥がしていけば取れますが,大きな上衣下静脈 large subependymal vein の損傷には注意を払います。

手術後の画像です。脳神経外科の先生は手術根 surgical track に注目して下さい,左頭頂葉皮質切開 transcortical approachで手術を行っています。このルートでは全く手術後の神経脱落症状が出ませんでした。central neurocytomaの手術方法は,上記に加えて前頭葉皮質切開でまっすぐ前角に入る方法と経脳梁法 transcallosal approachがあります。経脳梁法は限られた小さめの腫瘍にしか応用できません。anterior callosal approach以外ではdisconnection syndromeが出るからです。central neurocytomaは脳室の壁にベトベトくっつくし,anterior callosal approachでは脳室壁の観察はかなり限られるからです。大きなものでは必ず経皮質法を選択して下さい。


病理所見

centralhe1石灰化(画面右側の紫色の部分)とともに、均一な大きさの円形の核を有する腫瘍細胞が敷石状に配列している。

centralhe2核周囲は明るく抜けている。腫瘍細胞間には細い血管が介在し、腫瘍細胞を区画している。

centralhe3腫瘍細胞間には好酸性(ピンク色)の細線維性基質が認められる。

centralolig2免疫染色(Olig2)。HE染色で核周囲が明るく抜ける形態からoligodendrogliomaが鑑別となるが、Olig2は陰性で、oligodendrogliomaは否定される。

centralsynaptop免疫染色(Synaotphysin:神経内分泌marker)。腫瘍細胞間の細線維性基質に陽性を示す。

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