下垂体細胞腫 pituicytoma

  • 極めて珍しい腫瘍です
  • 成人のトルコ鞍内から鞍上部にできます
  • 発症年齢中央値は50歳くらいです
  • 病理分類としては,視床下部神経下垂体・下垂体柄・下垂体後葉にできるグリオーマです
  • 視床下部下垂体の神経組織 pituicyteから発生するとされています
  • 症状は,視交叉圧迫による視野障害と下垂体ホルモンの不足です
  • 性欲の減退,頭痛,易疲労性などです
  • 高プロラクチン血症で無月経で発症することがあります
  • 病理学的には境界明瞭なグレード1の良性腫瘍とされます
  • 数年かけてゆっくり大きくなります
  • 手術摘出できれば治る腫瘍です
  • でも視床下部に癒着して摘出ができない例があります
  • 一般的には予後は良好です
画像診断

MRIとCTでは後床突起の上に乗っているように見え,後床突起髄膜腫とも紛らわしいです
この例は下垂体柄が認識できて,灰白隆起から発生したとしか思えませんでした

  • 画像上は境界が明瞭な腫瘍です
  • 腫瘍内部にvascular voidsが多く見えて激しく出血する腫瘍です
  • トルコ鞍内から発生することが多いと記載されていますが,実際は灰白隆起か下垂体柄からの発生が多く,鞍上部腫瘍となります
  • トルコ鞍内にあるものは,下垂体腺腫と間違えることがあります
治療は手術摘出
  • 手術で取れれば治りますし,手術摘出しか治療手段はありません
  • 稀ですがトルコ鞍内中心で,鞍上部にあまり大きくないものでは経鼻手術で摘出できます
  • 境界明瞭で周囲組織との癒着は少ないと記載されていますが,そうではありません
  • 下垂体組織や視床下部との剥離は極めて困難です
  • 下垂体柄を一緒に摘出してしまえば腫瘍はとれます
  • 高度に出血性の腫瘍です
  • 大きなものは激しい出血をきたし摘出ができないことがあります
  • 視床下部障害を招くので摘出できない例もあります
  • 手術により下垂体柄断裂あるいは後葉損傷となります
  • 術後の合併症として尿崩症は多いです
  • 汎下垂体機能低下症となる可能性が高いです
病理の鑑別
  • pituicytomaは2000年に提唱された新しいものです,かつてはinfundibulomaとかposterior pituitary astrocytomaと呼ばれました
  • 似ているので,pilocytic astrocytomaに病理誤診されることがあります
  • granular cell tumor of the sellar regionあるいはspindle cell oncocytomaとはcytogenesisから同じ腫瘍かもしれないと示唆されています

 

 

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