成果を見せる
5/21 5.活動の成果を見せる技術【要素を網羅した展開過程】

【テロップ】
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【ノート】
ここでは、 「活動の成果を見せる」ための展開過程について、先ほどの技術の要素を網羅した、次の7つのステップを提案します。 ステップ1では、まず活動の成果を見せることに取り組むワーキングチームを作ります。これは作業仲間と呼び換えてもいいでしょう。もちろん、個人で実施することも可能ですが、妥当な評価指標を探したり、結果を解釈する際に意見交換ができるメリットがあります。 ステップ2は、何のために評価をするのか、それを誰に見せるのかという、評価の目的を明確にする段階です。例えば、多数の人が抱える健康課題を解決する事業を継続するために、議会にその事業による予算の削減効果を見せるのか、それともある地域の住民に、住民主体の活動によってその地域の健康意識が上がったプロセスを見せるのか。その評価の目的によって、評価計画に盛り込む内容や方法が異なってくるため、とても大事な段階です。 ステップ3は、そもそもどのような成果を求めているのかという、活動の目的・目標を再確認する段階です。これが明確であることがアウトカム評価実施の条件となります。例えば、介護予防を目的とする活動において、「閉じこもり高齢者が現在の15%から5年間で10%に減少する」といった明確な目標が立てられているかどうかを確認します。 ステップ4は、評価計画の立案です。ここでは具体的に「どのような方法」で、「どのような指標を用いて」、「誰が」、「いつ」評価を行うのかを明確にします。評価計画を立てるには、その前段階として、研究方法の基本について理解しておく必要があります。 ステップ5は、評価の実施です。評価計画に基づいて、実際に評価に用いるデータを収集したり、活動の記録を整理していきます。 ステップ6は、評価に用いるデータや記録から評価結果をまとめ・解釈する段階です。この際、要約した文章や表などの資料、グラフや分布などの図を作成します。それから、これらの結果に関する資料を用いて、チームメンバーでその解釈を行います。 望ましい結果が生じている場合も芳しくない場合もありますが、なぜそのような状態になったのかを評価の枠組みで多角的に検討することが重要です。思うようなアウトカムが得られなかった場合は、構造やプロセスに問題があることが考えられるため、それぞれの可能性について検討します。 ステップ7は、公表の準備および公表です。この段階では、見せる対象が理解しやすい資料や媒体を準備し、自治体の広報誌やホームページなどで公表したり、会議や公開講座などで口頭によるプレゼンテーションを実施します。  公表するということは、それに対する反応を伴います。思わぬ評判を博したり、関心を持った人から励まされたりと、公表することが社会に影響をもたらし、そのことによってまた自分たちが影響を受けるというダイナミックな動きが生じます。