成果を見せる
4/21 4.活動の成果を見せる技術【評価して見せる内容】

【テロップ】
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【ノート】
次に、 評価することによって見せることができる内容について説明します。 ここでは、評価の枠組みに、ドナベディアンによる医療の質評価モデルの3つの要素、構造・プロセス・アウトカムに、事業実施量を示すアウトプットを加えた4つを用います。 事業や活動の直接的な成果の見せ方は、 「アウトカムを見せる」ことに尽きます。 アウトカムとは結果のことであり、 活動目的の達成度を評価することを言います。例えば、ある地域で、子どもの虐待防止を目的とする事業を5年間展開し、虐待で保護される件数が5件から0件に減ったとすれば、 それが何よりの直接的な成果(Good)ということになります。 アウトカムの指標としては、例えば介護予防を目的とする活動では要介護認定率、がん対策では罹患率や死亡率などが用いられます。 そのアウトカムに至った背景には、 何回事業を実施したから(Done)、 あるいはどんなプロセスを辿ったから(Doing)、 どんな体制だからできた(Can)といったアウトプット、プロセス、構造の要因があり、それらを効果的に見せることが活動の成果を包括的に見せるということになります。 まず、アウトプットを見せるとは、 事業や活動の実施量を見せることです。例えば、閉じこもり予防を目的とする活動では、閉じこもり予防教室の実施回数と参加者数、対象となる高齢者の数で割った参加率などがアウトプットとなります。 つぎに、プロセスを見せるとは、 活動を実施した経過や活動状況を記録した内容を質的にまとめたり、項目ごとにカウントして数量化して見せたりするものです。実施した内容の妥当性をスタッフで検討した結果や、一連の過程についての参加者の満足度や自己効力感などもプロセス評価として見せることができます。 最後に構造・ストラクチャーを見せるとは、 活動を実施する基盤となる仕組みや体制を評価して見せることです。例えば、その活動に必要なスタッフの人数や職種がそろっているか、雇用や会場にかかる予算は十分か、主催する組織や管理運営体制は整っているのかなどが評価の視点になります。 評価の枠組みを用いて、成果を見せる場合の一般的な内容についてご理解いただけたでしょうか。 ただし、その活動の対象や、目的・目標に応じて、どの種類の評価をどの程度行うことができるのかについては、ケースバイケースです。また、必ずしもすべての種類の評価をしなければいけないということでもありません。その活動に応じて、できうる限り、最良の選択をしていくスタンスが重要です。