必要性を見せる
22/27 22.活動の必要性を見せる技術演習【資源を見せる】

【テロップ】
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【ノート】
さらに、ヒマワリ保健師は、内的資源、つまり、Z市保健センター及び自分達保健師側の要因について書きだしました。 これについては、国や県の動向と、Z市の施策展開の現状、及び保健師間で行った保健師活動についてのリフレクションから整理していきました。 Z市では、健康Z21を、2000年度末に、1運動、2栄養、3休養/こころ、4たばこ、5アルコール、6歯の健康、7健康管理の7分野について数値目標を掲げて策定し、2001年度より計画を展開しています。 しかし、国の健康日本21では「糖尿病」、「循環器病」、「がん」の分野が独立して設定されているところを、Z市では「健康管理」という分野にひとくくりにしていました。また、策定時から担当者が3回替わっていることも影響し、がん対策についての具体的なアクションプランが不足していました。また年度によって重点を置く分野をシフトして取り組んでいたことからも、一つの分野に対する活動の継続性に課題がありました。 その結果、2006年の中間評価では、受診率など設定していた数値目標を達成できませんでした。 保健師の保健指導技術にも課題があること、住民や検診機関に働きかけるにもマンパワーが不足していることも課題として上がりました。 とはいうものの、2007年6月の国のがん対策推進基本計画を受けて、2008年度中にZ市のある県においてもがん対策推進基本計画が策定されることとなり、Z市でもそれに沿った計画立案が求められ、活動を推進していけそうな状況となっています。 検診にかかる費用について、市内の検診機関の料金の幅を調べると、視触診のみで1,000円から3,000円の範囲、視触診とマンモグラフィーで2,000から11,000円の範囲と差があり、高額な場合もありました。 とはいえ、Z市が発行している検診受診券を活用すると、どこで受けても、視触診のみの場合70歳以上で200円、70歳未満で600円、マンモグラフィーと併用すると、順に400円と1,000円となります。 ただし、受診券を利用した場合も、70歳未満では、特定検診と胃がん・大腸がん・乳がん・子宮がん検診などすべての検診を受けると総額で7,600円と高額になるのも事実です。 明るい情報としては、乳がんと子宮頸がんの検診について、厚生労働省が、2009年度より国庫補助金によって、市町村が申請すれば、がん検診の受診促進に必要な費用を補助する事業を開始する予定があります。 受診行動の向上や検診体制の整備に関わるプラスの要因としては、Z市では、年に1回、検診受診案内を広報とともに全戸配布しており、毎年改定できること、がん検診ほか各種検診の受診勧奨について、毎年地区の愛育委員や食生活改善委員のメンバーに健康教育を実施する機会があり、彼らを通じた地区住民への受診勧奨が可能なこと、市内には、元患者が中心となって乳がんに関する情報提供や支援を行っている自主グループがあり、依頼すれば体験談などを話してもらえる可能性があること、が上がりました。 マイナス要因としては、Z市では、検診によっては地区会場での実施日を設けているものがあるものの、乳がん検診は医療機関委託のみであること、地区組織のメンバーが広報に協力的でも、広報やチラシを見ない住民や、地区組織と交流のない住民には十分な啓発ができないこと、保健師による地区組織との協働や住民への啓発においては、受診勧奨チラシを用いた説明とマンマモデルを用いた自己検診法の演習などがパターン化しており、エビデンスに基づく受診への動機づけが不十分であったこと、が挙げられました。 ヒマワリ保健師は考えます。今まで見せてきた価値と資源とエビデンス。マイナス要因がたくさんあるけれど、プラス要因を最大限活性化することができれば、健康課題の解決につながるに違いない!