必要性を見せる
19/27 19.活動の必要性を見せる技術演習【価値を見せる】
【テロップ】
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【ノート】
次に、ヒマワリ保健師は受診率が低い原因を探ります。 最近のデータがないことから、市内で活動している、女性で構成される3つの地区組織に協力を依頼し、フォーカスグループディスカッションを行うことにしました。 愛育委員の班長グループと、親子クラブのリーダー会、Z市立中学校のPTA母親委員会各々の会合終了後、5-6人に残っていただき30分間話し合ってもらいました。 「なぜZ市では乳がん検診を受けない女性が多いのか。」という問いの答えを求めると同時に、ヒマワリ保健師は、それらの地区組織のリーダー格のメンバーが、仲間に受診勧奨をする動機と責任感を高めてくれることを狙っていました。 その結果をまとめると、乳がん検診受診の課題として、触診で胸を触られる恥ずかしさや、マンモグラフィーでは乳房を挟まれて痛そうというイメージがあり、検診に対する「自己効力感が低い」ことがわかりました。加えて、特に若い世代では、子育てや仕事で忙しく、しかも無料ではなくお金がかかることが、検診に行くことの「優先度」を下げていることがわかりました。 さらに、市内の検診体制や検診実施機関についての「知識不足」も見られました。 それから、5年前のデータになるものの、市の健康増進計画策定にあたり、大規模に行った市民アンケートの結果も参照しました。 そこには、成人女性の市民のうち、乳がんの自己検診をしている人は1割と少なく、私は大丈夫といった過信があり、症状がないので検診を受ける必要性を感じない、症状が出るなど何かあったら病院へ行けばよいと思っている人が多いというデータが示されていました。 この結果は、乳がん検診に対する「重要度」の認識が不足していることを表していました。 これらの情報から、ヒマワリ保健師は、いままで行っていた市の広報に頼った受診勧奨だけでは、受診率は上げられないと思いました。 この分析をすることによって、ヒマワリ保健師はいくつかの解決の方向性を見出しました。 あなたも一緒に考えてみましょう。