規約

前文

近年、CTやMRI等から得られた画像情報をもとにRP装置で製作し、手術前の病態評価/手術シミュレーション/手術後の結果評価などに使用する手術用医療モデルの構築が求められている。しかしながら、このモデルについては、臨床的ニーズと技術的シーズが乖離しており、医療現場に十分に普及していない。そこで、医療の立場から見た手術用医療モデル及びRP技術の臨床応用面での開発が課題となっている。

こうした社会的要請と臨床応用への期待に応えるべく、臨床成績向上を目的とした手術用医療モデル技術の発展、臨床的ニーズを満たすRP装置及びソフトウェアの開発を活性化させ、また、患者の費用負担の軽減を実現させるために、病院から先進医療制度の認定申請手続きを積極的に行なうことが必要だと考える。そのためには、アカデミアのみならず、三次元造形に関与する行政・企業・NGO等の専門家が集まり、意見交換できるよう、新しいコミュニケーションの場を作ることは緊急かつ意義深い課題だと考える。将来的にはこの技術をさらに発展させて、RP装置で人工臓器そのものを作り出す技術へとつなげて行く予定である。

このような趣旨に基づき、三次元臓器造形技術の医療応用に関して、病院内でのニーズを掘り起こすとともに、技術的シーズの更なる改良と発展が可能になると考え、臨床応用を目指した三次元臓器造形研究会を発足した。

第1章 総則

第1条
この研究会は、"臨床応用を目指した三次元臓器造形研究会"、という。
第2条
本研究会の事務局を、東京都文京区本郷7丁目3番1号入院棟B8階東京大学医学部附属病院ティッシュ・エンジニアリング部に置く。
第3条
本研究会は、必要に応じて、地区に支部を設置する。

第2章 目的及び事業

第4条
本研究会は、アカデミア側のメンバーと産業界側のメンバーが集まり、意見交換し、前者は三次元臓器造形に対する臨床的ニーズを指摘し、後者は三次元臓器造形に関する技術的シーズを明らかにすることで、両者の理想的なマッチングの基に研究を行うことを目的とする。
第5条
本研究会は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う。
(1)  講習会、見学会等の開催
(2)  内外の関係諸団体との連絡及び提携
(3)  研究の調査及び情報収集・提供
(4)  普及及び情報の収集・提供
(5)  その他本研究会の目的を達成するために必要な事項

第3章 会員

第6条
本研究会会員の種別は次の通りとする。
(1)  学術研究会員(アカデミア): 本研究会の目的に賛同し、かつ三次元臓器造形に関する活動に協力する個人又は団体
(2)  産業界会員: 本研究会の活動に賛同し、第5条の事業を援助する個人又は団体
第7条
1.  会員になろうとする個人又は団体は、所定の手続きにより、入会申込を行う。
2.  次の入会金と第8条に規定するその月の会費を納入しなければならない。
          (1)  学術研究会員  免除
          (2)  産業界会員  別途問い合わせ
3.  会員に所属先における異動がある場合、事務局に会員変更届を出すことで、後任者に会員の資格を引き継ぐことができる。この場合、入会金は免除される。
第8条
会員は、各月末までに、当月度の会費を納付しなければならない。
(1)  学術研究会員  月額 免除
(2)  産業界会員  別途問い合わせ
第9条
会員は、次の理由によってその資格を喪失する。
(1)  退会
(2)  死亡
(3)  除名
第10条
会員が退会しようとする場合には、退会届けを事務局長に提出しなければならない。
第11条
会員が次の号の一つに該当するときは、第17条5項に規定する総会の議決により、これを除名することができる。
(1)  会費を3ヶ月分滞納したとき
(2)  本研究会の事業を妨害し又は妨害しようとしたと客観的に認められるとき
(3)  学術研究会員の研究又は産業界会員の事業を妨害又は妨害しようとしたと客観的に認められるとき
(4)  本研究会の秘密の漏洩その他不正行為があったとき
第12条
既納の会費は、いかなる理由があっても返還しない。

第4章 研究成果等

第13条
1.  本研究会は、特定の会員の利益のみを目的として、その事業を行ってはならない。
2.  本研究会は、その事業により得られた発明、ノウハウ、情報等(以下「発明等」という)について、会員が自己の業務に使用することを希望するときは、当該会員に対し、有償又は無償でその使用を許諾するものとする。有償の場合は、実施許諾料(ロイヤルティ)を徴収するものとし、その金額又は料率は、業務に使用する範囲等を考慮して総会の議決により決定する。
3.  本研究会の事業により得られた発明等により、工業所有権の出願を行うときは、その詳細については、総会の議決により決定する。その使用については、前条を準用する。なお、会員は、本研究会の事前の書面による同意を得ないで、発明等につき、その会員又はその関係する者の名称にて工業所有権の出願をしてはならない。
4.  会員は、発明等を含む本研究会の秘密につき、他に漏洩してはならない。

第5章 事務局

第14条
事務局の定数は、次のとおりとする。
(1)  局員  5名以内
(2)  監査担当局員  2名以内
第15条
事務局員の任期は、次のとおりとする。但し、再任を妨げない。なお、補欠又は増員のために選任された事務局員の任期は、他の事務局員の残存期間とする。
(1)  局員  3年
(2)  監査担当局員  3年
第16条
1.  局員のうち、1名を局長とし、1名を副局長とする。局員、監査担当局員、局長および副局長は、総会において選任する。
2.  局長は、本研究会を代表し、総会の議長となり、本研究会の業務を執行する。副局長は、局長を補佐する。
3.  監査担当局員は、会計監査を行い、総会に報告する。
4.  事務局会は、本研究会の業務方針を決定する。事務局会の議決は出席者の過半数により決する。
第17条
1.  総会は、通常総会と臨時総会とする。通常総会は、毎事業年度終了後3ヶ月以内に、臨時総会は、必要により、事務局会の議決を経て局長が招集する。会員は1人につき一議決権を有する。通常総会においては、事業報告の承認、財務諸表の承認その他を決議する。
2.  総会を招集するには、会日の10日前までに、会議の目的、日時、場所を記載した書面を各会員に通知しなければならない。
3.  会員は、代理人を選任することができる。
4.  総会の議事は、次項にいう特別事項を除き、会員の半数以上が出席し、その議決権の過半数で決するものとし、可否同数のときは、議長の決するところによる。<。
5.  特別事項とは、本規約の変更、本研究会の解散、会員の除名その他事務局会の決定する事項とし、その議決のためには、会員の半数以上が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成を必要とする。。
6.  総会の議事については、議事録を作成し、議長が署名捺印する。
第18条
1.  本研究会の日常的な運営を行うため、事務局を設置する。
2.  事務局は会員募集、現金出納等経理処理等に関する事務を行う。

第6章 会計

第19条
本研究会の資産の種類は、次の通りとする。
(1)  入会金及び会費
(2)  資産から生じる果実
(3)  寄付金品
(4)  その他収入
第20条
1.  本研究会の資産は、事務局が管理し、確実な銀行に普通預金あるいは定期預金として保管する。
2.  本研究会の事業遂行に要する費用は、資産をもってあてる。
第21条
本研究会の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。

第7章 補則

第22条
優秀な研究成果の発表に対し、事務局の議決に基づき表彰することができる。
第23条
三次元臓器造形技術の医療応用に関して成果を上げるとともに、社会的貢献を行った企業、機関などの組織体に対して、事務局の議決にもとづき表彰することが出来る。
第24条
必要に応じ、本規約施行に係る規定及び細則を別途定める。
2005年9月1日制定