脳腫瘍の外科学会優秀論文賞(神野賞)受賞報告

2024年に長崎で開催された脳腫瘍の外科学会において、当グループ竹内医師の報告した「脳幹部海綿状血管腫に対する経鼻内視鏡手術」(Journal of Neurosurgery誌に掲載)が最優秀論文賞として選出されました。

本論文は、治療困難とされてきた脳幹前面に存在する海綿状血管腫に対して、経鼻的にアプローチを行うことで病変周辺以外の脳組織への操作を要さず、低侵襲かつ効果的に治療が可能であることを報告したものです。

従来、同部位への治療法は開頭術のなかでも頭蓋底手技という非常に困難で侵襲性の高いものを組み合わせて行われていましたが、動眼神経や視神経などの重要な脳神経や血管構造と交差するような術式であり、これらを損傷する危険性をはらんでいました。経鼻術では真正面からのアクセスが可能であり、より安全性が高いものと考えられました。
この反面、髄液鼻漏などの合併症の危険性はあります。髄液鼻漏は頭蓋底再建技術の進歩により徐々に克服されてきており、そのリスクは年々低下してきているものと考えられます。

今後さらなる適応拡大が期待される領域です。

参考:脳幹部海綿状血管腫

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