WHO(世界保健機関)、ユニセフ、IFRC(国際赤十字連盟)という国際機関が、新型コロナウイルスから、子どもを保護し、安全に学校を運営するのための こころのかまえ について資料 (日本語訳)を発表しました。
この資料は、学校を管理する方がただけではなく、先生がた、親御さん、そして子どもたち本人にも向けて書かれています。
大事なことを先に書きます。この資料では、
子どもたち自身が家庭、学校、そして地域での感染予防と制御の伝導者!
になってもらうことを期待しています。
そのためには、教育の継続がとても大切なのです。
教育を受けることは、子どもの基本的人権の1つです。また、遊ぶことも、子どもの基本的人権の1つでもあります。だからこそ、このような時でも教育の継続が大切です。教育には
・学校に通う
・オンライン、ラジオなどを通して行う遠隔教育
があります。
どちらが良い、とはこの資料には書いてありません。どのようなやり方でも、子どもの基本的人権を守るための教育の継続を、大人の私たちは取り組む必要があるのです。
この資料に書かれている事柄は、多くの日本の教育機関がすでにできていることも含まれています。
学校の開校を続ける場合
学校の開校を続ける場合、学校は以下の事柄に取り組むことが勧められています。
・子どもたちが自分自身を守れる方法を提供すること。
・正しい手洗いと衛生手技を推奨し、衛生資材を提供すること。
・特に水道や衛生設備の清掃と消毒
・頻回な通気と換気の実践
子どもたちへの包括的な支援
子どもたちへの包括的な支援には以下の3点が含まれています。
1. 学校は子どもたちに対して、彼らと彼らの家族を守るための手洗いの方法やその他の重要な情報を届けること。
日本の多くの学校は、この点については配布物や保護者LINEなどで既に取り組むことができているのではないでしょうか。その他の重要な情報には、咳エチケットのこと、外で遊ぶ時の留意点、子どもが具合の悪い時は無理をさせず、学校には行かせないで家で休ませることなどが入るでしょう。
2. 子どもたちが、メンタルヘルスサポートを受けやすい環境をつくること。
スクールカウンセラーの方々が取り組んでいることも、たくさんあると思います。ですが、専門家ではなくて、子どもにとっては、いつも側にいる親やお世話をしてくれる人たちが、最良の治療者なのです。
以前、このサイトに掲載した「新型コロナウイルスと子どものこころサポート」の記事には、あなたにもできるメンタルヘルスサポートについてまとめました。下記リンクからご覧いただき、参考にしてください。
3. 子どもたちが、お互いを思いやる心を持ち、新型コロナウイルスについて話すときには、ステレオタイプ化を避けるように促して、スティグマと差別を防ぐこと。
ステレオタイプ化、というのは型にはまったものの見方をすることです。例えば、東日本大震災の後、「福島の方々は原発事故があった県から来てるから、あぶない」という、間違っていて、なおかつステレオタイプ化したものの見方をする人たちから、とても傷つけられ、差別をされました。
子どもたちが、お互いを思いやる心を持てるようになるには、大人の私たちがお互いを思いやることができなければいけません。
少しずつですが、感染された方たちが見つかる地域が増えてきました。明日、仲良しのご近所さんが、新型コロナウイルスかもしれないと分かっても、「きたない」「あぶない」と言った心ないステレオタイプ化、スティグマ、差別をすることがないよう、大人の私たちも こころのかまえ を持ちましょう。
参考
- WHO. COVID-19: IFRC, UNICEF and WHO issue guidance to protect children and support safe school operations. https://www.who.int/news-room/detail/10-03-2020-covid-19-ifrc-unicef-and-who-issue-guidance-to-protect-children-and-support-safe-school-operations
- WHO神戸センター. COVID19: 子どもの保護と安全な学校運営のための国際赤十字連盟(IFRC)とユニセフ及び世界保健機関(WHO)によるガイダンス:学校管理者、教員、両親と子供に対する実践的行動とチェックリストを含む https://extranet.who.int/kobe_centre/ja/news/COVID19_specialpage_technical
- ユニセフ.「児童の権利条約」全文 https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig_all.html