まだしばらくは続きそうな、新型コロナウイルスに警戒が必要な毎日。今まで2回にわたり、見えないウイルスと共に生きる社会で、生きる子どもたちについて動画をお届けしました。今日は、そんな子どもたちのことが、大好きで、大切だと感じている大人のみなさんのこころのかまえついて、お伝えします。
大人のあなたのイライラ、緊張した心、恐怖心、不安や心配な気持ちは、あなたが守りたい子どもたちへの気持ちと行動に大きく影響します。
イライラ、緊張、恐怖、不安、心配は
あなたの、気づく力を弱めます。
あなたの、聴く力を弱めます。
あなたの、守る力を弱めます。
そして、あなたの気持ちが、子どもにもうつります。
ですが、あなたが今イライラしたり、不安や心配な気持ちになるのも、当たり前のことなのです。今、日本の、世界の人たちはみんな、見えない新型コロナウイルスと毎日手探りで向き合っています。先のことがわからない状況は、どのような人の心も不安にするものです。大人としての5つの立場を踏まえて、できることをお伝えします。そして、ひとりでもできる3つのこころのほぐし方をお伝えします。
5つの立場
- あなたが、小さなこどもの親のとき
- あなたが、思春期のこどもの親のとき
- あなたが、夫婦のどちらかのとき
- あなたの身近に、気になる子ども、心配なこどもがいるとき
- あなたが、誰かを介護しているとき
あなたが、小さなこどもの親のとき
1. 学校などがなくても、普段の生活のリズムを作りましょう。時間割を作るとリズムが作りやすくなります。
2. あなたも心配だったり、困っていることを伝えましょう。彼らもあなたの立派なサポーターになってくれます。
3. こども同士でつながっていることも大切です。テレビ電話などで、おはなしさせてあげましょう。
あなたが、思春期のこどもの親のとき
1. 彼ら自身の力を信じてください。多くのこの年代の子は、自分のことを律することができます。
2. 相談してください。この年代の子は、あっという間に情報を集める力を持っています。正しい感染対策のこと、最新のニュースのことを調べて、と頼ってみると案外乗ってくれるかもしれません。そして、一緒に「信じられる情報」なのか話し合ってください。
3. 頼ってください。小言ではなく、お願い事をすれば頼れる助っ人になれる世代です。そして、しっかりと”ありがとう”と伝えてください。感謝を伝えることは、助っ人が次の機会も助ける最大の動機になります。
あなたが、夫婦のどちらかのとき
1. 相手が子どもの世話を1つした時、家事を1つした時、”ありがとう”と伝えましょう。
2. 夫婦がけんかしているのを見ると、子どもは今よりもっと不安定になります。
3. 相手の体調を気遣います。どちらかが感染したら今まで以上に大変なことになります。
あなたが、身近に気になる子ども、心配なこどもがいるとき
1. その子の親御さんに大きな変化がないか聞いてみてください。
2. 子どもより親御さんへサポートを考えるほうが優先になることがあります。あなたの小さなサポートが、子どもを守ることにつながります。
3. その子どもの命に関わりそうなときは、ためらわず児童相談所に連絡をしてください。匿名でもお電話できます。
あなたが、親であると同時に、誰かを介護しているとき
1. 介護をしながら、子どもを守るのは本当に大変なことです。あなた自身を助けてくれそうな人を思い出してください。
2. その助けてくれそうな人に、連絡して助けを求めてください。
3. 思い浮かばなければ、地域包括ケアセンターに相談してみてください。あなたのサポーターを増やしましょう。
あなたの心をときほぐす3つの方法
1. 深呼吸
いつでもだれでもできる、数少ない方法。コツは、息を吐くことから始めます。好きな色の風船がお腹の中に入っていることをイメージしてます。ゆっくり膨らませる、ゆっくりしぼませることを繰り返しましょう。呼吸は、自分でコントロールできる数少ない「身体の反応」です。「心臓のドキドキ」や「おなかのムカムカ」なども同じ身体の反応ですが、自分でコントロールすることが難しい反応です。呼吸を整えることで、心も整えることができます。
2. カームダウンジャー
お家にある、しっかりとふたの閉まる瓶に、お水とスパンコール、小さく切った金や銀のような折り紙やアフミフォイルを入れます。瓶を思い切り振ってから、瓶をおいて中をじっと見てみましょう。きらきらしたものが下に落ちるにつれ気持ちも落ち着きます。スノーボールを持っている人は、今すぐトライ。
3. 紙ボール
むしゃくしゃした気持ちをちらしの裏に書いて、くしゃくしゃに丸め、ぎゅっと握ります。ごみ箱に捨てれば、書いたむしゃくしゃした気持ちにもさようなら。
スルドイあなたはもうお気づきですね。
3つとも、こどもと一緒にできるのです。
もしかしたら子どもの方がうまいかもしれません。もちろん、あなたひとりでも挑戦してみてください。
この動画は、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが作成しました。この国際NGOは子どもの保護の活動に長い歴史を持つ団体です。そして、スフィア基準が公式に認める基準の1つ、「人道行動における子どもの保護の最低基準」の日本語訳を提供しているNGOでもあります。
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン のこちらのページには、子どもと親や養育者、地域の人たちが、心身ともに良い状態で過ごすために役に立つポイントがPDF資料でまとめてあります。あわせてご参照ください。
この動画は3部作です。第1弾、第2弾は下のリンクからご覧ください。
こころのケアについて、より詳しく知りたい方はこちらのページをご参照ください。