生活のリズムを守ることが、学校がお休み中の子どもにとっても、周りの大人にとっても大切で、どう取り組めばいいのかを具体的な例を含めて、2回に分けてご紹介します。
大切なことを先にお伝えします。今回お伝えしたいことは以下の2点です。
・子どもの短い集中力に合わせた、小さな区切りのある生活。
・家事などの、大人になっても役立つライフスキルを身につけるチャンスととらえる。
子どもは朝起きてから夜寝るまでの間に、たくさんのことをこなしていきます。大きな時間のかたまりで考えると、寝ている時間、家で過ごす時間、学校で過ごす時間、その間を埋めるすきま時間です。おそらく、学校に行っている子どもたちは、お昼間の大半を学校で過ごす時間として使います。通学時間というすき間時間に挟まれたその中身は、たくさんのスケジュールが詰まっています。
- 通学:お友達と待ち合わせる。ふざけながら、話しながら学校まで歩く。
- 朝のホームルーム
- 1時間目
- 休憩:教室移動、トイレ
- 2時間目
- 中休み:校庭で遊んだり、教室でお友達と過ごします
- 3時間目:教室移動、トイレ
- 昼休み:給食の配膳、食事、片付け
- 昼休み:校庭で遊んだり、図書室に行ったり
- 掃除:
- 4時間目
- 休憩:教室移動、トイレ
- 5時間目
- 夕方のホームルーム
- 帰宅:お友達と待ち合わせる。ふざけながら、話しながら家まで歩く。
実はこんなにこま切れなのですね。子どもはまだ集中力が短いので、学校側が工夫をしていることの1つですなのです。そして、朝と夕方のホームルームでは、これから学校での生活が始まりますよ、終わりますよ、という合図を送り、子どもたちを学校モードにスイッチを切り替える意味があります。
そのため、
家でも子どもの集中力に合わせて工夫をする
ことが、1日をうまく過ごすコツです。「X月X日X曜日、朝は国語と理科、お昼は一緒に焼きそばつくりの調理実習、午後は体育の時間でご近所を早歩き。夜は9時には寝ます。」と言ったスケジュールを一緒に作ります。そして、一緒に読み上げるとより効果的です。タイマー機能やアプリで学校のチャイムをセットしてもいいですね。
学校は、子どもたちが勉強しやすいように工夫がされています。教室はお勉強する場所の意味合いが強いので、学びに関係がないものはあまり置いてありません。けれども、「お家」には何よりも家族が安心できる場所という意味合いがありますから、「学校と同じように子どもが勉強に集中できない」というのはある意味当然かもしれません。
また、学校では、教室の移動やトイレでも、お家にいるよりも、運動量が多いものです。お家の中ではこのようなエネルギーの使い方はできないので、学校があるときよりも、外で遊ぶ時間を多めに取ることが大切かもしれません。タワーマンションでも、災害時の停電を見越して階段で上り下りさせると、結構体力を使ってくれるかもしれません。
・勉強中は、掃除機をかけたり、大きな音が出るような家事をするのをずらす。
・勉強中は、大人も隣で本を読んだり、家計簿をつけるなど、集中しているお手本を見せる。
・家事は、家庭科の時間だと考えて、一緒にしてもらう。
・子どもに体力消費をさせるための時間を1日1回もうける。
自分ひとりでやる方が早いんだもの!と思われるお母さん、お父さん。気持ちはよく分かります。この気持ちは大人のみなさんが「いつものペース」を乱されたくないという思いが根底にあり、「学校にいけない」子どもたちによって、「いつものペースを乱されている」と感じることでイライラするのかもしれません。いつものペース通りには何も進まないのが、新型コロナウイルスとともに生きる今の社会です。大人のペースを変えると、子どものペースに近づくのではないでしょうか。
ですが、今一度、こどもは遊ぶことと学ぶことが基本的人権として守られなくてはいけないことを、思い出してください。そして、新型コロナウイルスは、その子どもの権利を脅かしてることを、思い出してください。そして、子どもは自分自身の力ではこの権利を守ることができない子達が大勢います。大人の私達が、彼らを守りましょう。
こどもとおとなを守るための 「生活リズム」について2回に分けてお伝えしていきます。