新郎から見た結婚式


式場に着くまで

朝6時起き。前日も準備に忙しく、寝たのは2時前だったので、つらい。 しかも、起きると天気予報通りの雨、というか大雨。二人でげっそりする。

朝食をとって某妻は美容院に行くとかで先に家を出る。 一人で靴を磨いたり、スピーチを暗記したり、オロオロしたり。

スーツに着替えて10時前に家を出る。雨は弱まっていたが、 まだ降っている。しばらく歩いていて、ふとPHSを忘れたことに気付き、 急いで家に戻る。見つからないので自宅の電話からPHSに電話をかけると、 実はカバンに入っていたことがわかり、無駄足を踏んだことを知る。く、くそ。 おかげで予定の電車に乗り遅れる。

電車を乗り継いで武蔵境へ。リップクリームを忘れたので 駅前で買おうとしたが、ドラッグストアがなくて往生する。 けっきょく某スーパーの一階で買物をしたら、ここでも遅くなってしまう。 それからタクシーで某大学へ。

武蔵境に着いたころには雨が上がっており、日が差し始めていた。

準備など

予定より15分遅れて行くと、両家の家族ともすでに来ていたので、 いそいで結婚式の服(フロックコート)に着替える。 アスコットタイとかポケットチーフとか慣れないものばかりなので、 某妻をはじめ、いろいろな人に手伝ってもらう。感謝。 某妻がウェディングドレスに着替えている間に、 写真を頼んだ友人も到着する。

写真撮影の時間になったので、教会へ移動。 リップクリームを探していたら、新婦よりも教会に入るのが少し遅れてしまう。 新婦と一緒に祭壇に上がり、 プロの写真家に撮影してもらう。足の角度とか、顔の角度とか、 いろいろ指示を受けたが、 他にも、新婦はうれしそうに笑い、 新郎はおだやかな顔をしないといけないとかなんとか。 どうも笑いが引きつっていた気がして心配だ。 10枚近く撮る。

それから、某友人に手伝ってもらい、家族や親族と一緒に写真撮影。 しばらくすると誘導や受付を頼んだ友人も来たので、打ち合わせ。

リハーサル

リハーサルの時間になり、某牧師がやってくる。 新婦とその父がアイルの向こうから歩いてくる練習、 そのあいだにこっそりアイルの反対側に行き、 歩いてきた新婦に手を差し出して祭壇に上がる練習、 「はい、約束します」と誓約の言葉を言う練習、 指輪を交換する練習、 キスをする練習、 階段を降りて出口まで歩く練習など、一通りやる。 みなに、「新郎は緊張してロボットのようだ」 とからかわれる。ちゃんと前を向いて歩くようにとか、 ちゃんと新婦をリードするようにとか、 ちゃんと呼吸をするようにとか、いろいろ指示が飛ぶ。

しばらく新婦と練習を繰り返したあと、控室に行き、 親戚の方に挨拶をしたり、ウロウロしたりする。

本番の結婚式

そうこうしているうちに、某牧師が控え室にやってきて挨拶をすると、 家族や親族は教会の席に着き、 新婦は父親と一緒にどこかへ去っていった。 一人残されたので、しばらく寒い教会の廊下で待っていると、 オルガンが始まり、新婦入場となる。

そばにいた写真家の方に合図していただき、 コソコソと横の扉から入ってアイルの端に立つ。 事前に、参列者はみな新婦の方を見ていると聞いていたが、 本当に誰もこちらを見ていない。結婚式が誰のためにあるのか、 あらためて知る。

予定通り、左手を差し出して新婦を父親から譲り受け、 階段を転げ落ちることなく祭壇まで辿り着き、 賛美歌、聖書の一節の朗読、簡単な説教(誓約の意味について)などを聞く。 緊張していたせいでまっすぐ立っているのが辛かったため、 呼吸を整えることに集中していた。そのせいか、 説教などは半分ぐらいしか聴けず。あとで某妻に聞くと、 彼女もブーケが重くて大変だったそうだ。

それから証人も祭壇に上がってきて誓約の言葉。 「はい、誓います」と言うのか、 「はい、約束します」と言うのか、記憶が不確かだったが、 「はい、約束します」で正解だったようだ。

次に指輪交換。某牧師が指輪を持って祈りの言葉をつぶやいたあと、 相手の左手の薬指に指輪を差す。 新郎が新婦に指輪を付ける方はうまくいったが、 新郎が手に大量の汗をかいていたため、 新婦が新郎に指輪を入れるときにひどく苦労し、 その様子を見て一部の客は笑っていたようだ。

次に牧師と新郎と新婦が手をにぎって祈りをしたあと、 新郎が新婦にキス。リハーサルではうまくいかなかったが、 本番ではちゃんと新婦の口に命中。 新婦の話では、キスのあとに参列者の方を見ると、 某氏がニタ〜っと笑っていたそうだ。

それから賛美歌などを歌い、一連の儀式が終わったので、 拍手の中、祭壇を降りてアイルを通って出口へ。 新郎と新婦の足が揃っていなかった気もするが、 一応無事にこなす。

写真

新婦と一緒に教会の出口で参列客に挨拶をしたあと、 外に出て友人たちとスナップ写真。 このころには天気はすっかりよくなっていたが、 風が強く肌寒かった。しかし、それにもめげず、 みなで楽しく写真撮影。

そのあと、もう一度教会に戻って、 みなで祭壇のところに並び、写真家の方に記念撮影をしてもらう。 子どもが数人いたこともあり、和気合い合いとした雰囲気の中で 写真を撮ってもらう。

パーティー

それから近くのパーティ会場(アラムナイハウス)に移動し、 簡単な立食パーティを行なう。司会は某講師。開会の挨拶のあと、 ブーケとブートニアを変えた新婦と新郎の入場。 その次に、新婦と新郎がお互いのことを紹介。 暗記したつもりだったが、心配だったので、結局メモを見ることに。

乾杯の挨拶を頼んでいた某名誉教授が来ていなかったので、 代わりに某教授にお願いする。快く引き受けてくださり、 即興の立派なスピーチをしてもらう。感謝。

偉い先生が多かったため、それ以上のスピーチはお願いせず、 一時間ぐらいかけて新婦と一緒に挨拶まわり。 ゆっくりしていたら時間切れとなり、全員に挨拶できず。

最後に、新婦と新郎のスピーチ。 人生の第一幕「青春時代編」が終わったこと、 お世話になった先生、友人、同僚に感謝していること、 とくに家族には感謝していること、 これから人生の第二幕「中年時代編」が始まること、 今後も助力をいただきたく思っていることなどを述べて終わる。

みなに見送られて退場したあと、出口で待ち構えて、帰る客に挨拶。 来てくれて本当に感謝。

移動

二次会は新宿なので、服を着替えたあと、家族に別れを告げ、 某妻とタクシーに乗って駅に戻り、電車で新宿へ。

少し早目に着いたので、喫茶店に行き、サンドイッチとコーヒー。 パーティーで少し口にしたワイン以外、朝から何も食べていなかった。 迷っている某香港人たちを伊勢丹のあたりで捕まえて、一緒に二次会会場へ。

二次会

二次会は某イタめし屋で。後輩の某氏らの企画によるもので、 その「濃い」内容に引き気味の人もいたようだが、 全体的にはたいへん盛況だったようだ。 食べていないが、食事もおいしかったらしい。

新郎に指定されていたアドリブなどをうまくこなせず、 たいへんもうしわけないことをしたが、 個人的に一番おもしろかったのは某氏のパワーポイントによる発表で、 オレの日記と某妻のブログを綿密に照合して、 オレがいつ某妻にプロポーズしたのかを推理する、という内容。 某氏の努力と分析力の鋭さに脱帽した。 今後はその熱意を研究に向けてほしいと思う。

最後は写真を撮っていただいた某氏に歌ってもらい、大団円。 みなを見送ったあと、ウェディング・ケーキを少しだけいただく。

一部の人は三次会に行ったようだが、某妻も疲れていたので、 二次会を企画した人に挨拶をしてから、地下鉄に乗って帰宅。

最後に、今日の結婚式とパーティーの手伝いをしてくれた人、 それと二次会の企画と運営をしてくれた人には本当に感謝。 来てくれた人、電報を送ってくれた人、 メールでお祝いの言葉を述べてくれた人にも感謝。


KODAMA Satoshi
Last modified: Tue Mar 13 01:17:17 JST 2007