2002年12月下旬号 / 1月中旬号 / 最新号

こだまの世界

2003年1月上旬号

星の友情--われわれは友人であった。それから疎遠になった。 しかし、それは当然である。われわれはそれを恥じなければならないかのように、 お互いに隠したり、曖昧にしたりはしたくない。 われわれはおのおのがその目標と進路をもつ二艘の船である。 なるほど、われわれはすれちがい、われわれが実際したように、 互いに祝祭を催すこともある--そのばあい、けなげな船どもは、 同一の港に同一の太陽をうけて静かに横たわり、 そのためにすでに目標に達しており、 目標は一つであったかのようにみえたほどであった。 しかし、そののち、われわれは自分たちの課題の全能の威力に追いたてられ、 ふたたび異なる海と区域に別れていった。おそらく、 われわれが出会うことはあるまい。--なるほど、 もしかして、われわれがふたたび出会うこともあるかもしれない。 しかし、われわれは互いに相手がわからないだろう。 いろいろな海と太陽がわれわれを変えたのだ! われわれが互いに疎遠にならざるをえないということは、 われわれを支配する法則である。 だからこそ、われわれは互いにいっそう尊敬すべきものになるべきだ! だからこそ、われわれの昔日の友情を思う心はいっそう神聖なものとなるべきだ!

---ニーチェ

社会人の状態を未開人の状態と偏見なしで比較してみるがよい。(…) われわれ[社会人]をすりへらす精神の苦痛、われわれを疲労させ苦しめる 激しい情念、貧しい人々の重荷となっている過度の労働、 富んだ人々がこれにふけり、ある者はその不足のため、 他の者はその過度のために死ぬさらにもっと危険な柔弱、 それらをもしもあなた方が考察するならば、 また食物の途方もない混合、有害な調味料、腐った食料品、変造された薬、 それらを売る人々の詐欺行為、それらを飲ませる人々の誤り、 それらを調製する容器の毒、そういったことをもしもあなた方が 考えるならば、また集まった多数の人々のあいだの悪い空気によって 生まれる伝染病、われわれの生活様式の虚弱さや、 家の中と戸外を往来して通るために起こる病気、 あまりにも用心をしないで衣服を着たり脱いだりして用い、 われわれの過度の官能がすべての世話を必要な習慣に変えてしまって、 もしもそれを無視するか欠くようなことがあれば、 あとになってわれわれの生命または健康を失うようなことから起こる病気、 これらにもしもあなた方が注意をはらうならば、 またいくつかの都市を全滅させ、または転覆して、 その住民を何千人も死なせた火災や地震を、あなた方が考慮に入れるならば、 要するに、これらすべての原因がたえずわれわれの頭上に集中するさまざまな 危険を、もしもあなた方が一つに結びつけるならば、 われわれが自然の教訓を軽蔑したことに対して、 自然がいかに高い支払いをわれわれにさせているかを、 あなた方は感じるであろう。

---ルソー


主な話題


01/Jan/2003 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

お昼すぎ

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いもうしあげます。

昨晩は下鴨神社まで初詣に出かけた。おみくじは小吉。

先日買った『ノッティング・ヒルの恋人』のDVDを途中まで観たあと、 お昼まで寝て、カニ雑炊。少数精鋭の方々から年賀状をいただく。感謝。

夜中

元日は映画の日でもあったので、 かねてより某氏に勧められていた 『マイノリティ・リポート』を三条で観た。 フィリップ・K・ディック原作、スピルバーグ監督作品。近未来を舞台に、 陰謀に巻き込まれた警察官トム・クルーズが指名手配されながら謎解きを行なう SF小説と推理小説を合わせたような作品。映像の迫力には手に汗にぎるし、 緻密なプロットにはうならされる。ひさしぶりに圧倒される映画を観た。 ただし、後味はあまりよくないので、元日に見るような映画ではない。 A-。

映画の前には時間があったので、すこしゲーセンに寄る。 映画のあとは木屋町でラーメン。


02/Jan/2003 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

お昼前

朝起きて、ゆず湯をしている近くの銭湯に行ってみる。

外は大きな雪が降っている。正月。

マルクス係数はつけるのがめんどうなので正月をもって廃止。

真夜中

昼下がり、 京都の某ソフマップへ行き、 IIYAMAの99800円の液晶デスクトップを買うのを手伝う。 32MBのUSBフラッシュメモリも買う。 そのあと、セットアップも手伝いに、某氏のお宅にお邪魔する。 しかし、YahooBBのセットアップがうまく行かず、 けっきょく途中であきらめて帰宅。 どうもNTTの回線の工事に問題があったようだ。 近いうちにもう一度お邪魔して再度挑戦しなければならない。

京都駅から地下鉄に乗り損ねたので、タクシーで帰ってきた。 新年早々、今年の抱負を破ってしまった。


03/Jan/2003 (Friday/vendredi/Freitag)

雨。昼下がりから三条に出て、ゲーセンでドラムを叩いたり、 太鼓を叩いたりする。日本のゲーセン文化はすごい。

夜、『ギャング・オブ・ニューヨーク』 を見る。人がバタバタ死ぬヤクザ映画。『マイノリティ・リポート』 ほどは圧倒されなかったが、観たあとには同じくらい気分が暗くなった。 正月に観る映画ではない。B-。 あと、『チャーリー・エンジェル2』が夏に来るようだ。

某アジアン・キッチンで食事をしてから地下鉄で帰宅。


04/Jan/2003 (Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

お昼、ちょっとJR京都駅へ。 ひさしぶりにマクドでジャンク・フードを食べてしまう。

正月終わり。たまった新聞を読まねば。月曜の授業の準備もせねば。

夕暮れ

某氏の論文草稿を少し読み、コタツで寝る。 ピザ・トーストを作って食べる。

年賀状を少し書き足す。

夜2

うどん。紅茶を入れるのに使っている牛乳の賞味期限が12月31日なのだが、 大丈夫だろうか…。


05/Jan/2003 (Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中 (午前)

まだたまっている新聞を読んでいる。新聞をためてはいけない。

去年の米国の映画興行収入の一位は、スパイダーマン。 二位はスターウォーズ・エピソード2、三位がハリー・ポッター2だそうだ。 映画全体の興行収入も一昨年を大幅に上回り(81億ドル→93億7000万ドル)、 たいへん好調だそうだ。

今年の抱負 (決定版)

  1. D論を書くこと
  2. 議論すること
  3. 逃避しないこと
  4. 知らないことは知らないと言うこと
  5. むやみにタクシーに乗らないこと

その他、全人的成長を目指してがんばりましょう。

真夜中2 (午前)

やっと新聞を読み終わった。今日は授業の準備をせねば。

それにしても寒い。耳がしもやけになりそうだ。

また生ゴミをカラスにやられたので、凍える寒さのなかで掃除をするはめに。 ネ、ネットを買わねば。

洗濯、ピザトースト、シャワー。寒い。

朝日新聞の一面は、一橋大が学生による授業評価を完全に公開することについて。 大学の情報公開、民主化という流れにあるといえると思うが、 はたしてこのような授業評価が民主的と言えるかどうか。 以下、メモ。

昼下がり

大学のそばの某ホームセンターに行き、カラス対策用ネットを購入。 プラスチックか何かで出来た「カラスの死体」とかもあったが、 ネットが一番確実そうだ。

そのあと、某所でタコ焼きとタイ焼きを食べながら、 今日の朝刊を読み、買物をしてから帰宅。今日はほんとに寒い。 大型の寒気が来てるんだそうだ。

コタツでしばらく寝る。 それから国外の友人にもう少しメールを打つ。 ちゃんとカードを送るようにしないとなあ。 Keep in touch.

ひさしぶりにスパゲティを作ってみる。ペペロンチーノにツナを入れ、 レモンをかけたもの。一週間前に買ったレモンはすでに腐りはじめていたので、 少量使って処分。もったいない。ブロッコリも作って食べる。

メモ。


06/Jan/2003 (Monday/lundi/Montag)

真夜中 (午前)

う〜ん、時間がない…。

大学教授の72%が、 朝日新聞を読んでいるそうだ。日経、読売、毎日が10%代で続き、 産経は2.3%。このマイノリティ度がたまらん :) 目指せ、産経を読む大学教授。

けど、余裕があれば日経と朝日あたりも講読してあげよう。

真夜中2 (午前)

メモ。フェミニストの言う「真の」自己決定というのは、 下手をすると積極的自由の発想につながりそうだ。 江原由美子編『生殖技術とジェンダー』246頁以下と、 江原由美子『自己決定権とジェンダー』211頁以下の「自己決定の操作可能性」を 参照。

昼下がり

早朝に起きて、授業の準備。時間がなく、 けっきょくタクシーを使ってしまう。 反省。外もかなり寒かったが、 教室も寒かった。あとで事務に文句を言っておいたが、 ひょっとすると暖房のスイッチが オフになっていたのかもしれない。

授業は中絶について。三回目。 江原さんは、(1)男性は性と生殖を切り離して考えているのだから、 女性も性と生殖を切り離して考えることができるべき。 そのためには中絶権が必要。 (2)胎児は他人であるから、女性が同意なしに身体を提供する義務はない、 と論じているようだ。(2)は「人工妊娠中絶の擁護」のトムソン流の議論。 これに対してどう反論するか。

授業後、バスに乗って戻ってくる。 郵便局で年金を払ったあと、某所で天どん。 甘えびの唐揚げをバリボリ食べたら、 気分が悪くなった。

すこし寝る。

夜2

翻訳の依頼。忙しいが受けることにするか。


07/Jan/2003 (Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中 (午前)

スパゲティ。昨日と同じ、ツナ・ペペロンチーノ。 ブロッコリは茹でたあと、 チーズをかけてトースターで少し焼いてから食べる。

新聞読む。

携帯がなくなった気がする。まずい。

やっと起きる。眠い。寒い。

ニーチェ、ニーチェ。

昼下がり

う〜ん、まずい。時間が。


08/Jan/2003 (Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中 (午前)

昨日の昼下がりからやったこと:

全国の卒論、修論を書いてる方、がんばってください。

真夜中2 (午前)

先日購入した、

にハマっている。クレジットを見るかぎり、 Eric Idleは演奏にも歌にも加わってないようだが、どうなんだろう? ついでに、 も購入した。

お昼すぎ

よく寝た(コタツで)。

夕方

新聞を読んでいると、某アマゾンから本が届く。

朝刊を読み終わったと思ったら、もう夕刊が…。 今年成人するのは約152万人。 男77万人、女74万人だそうだ。

夕方、携帯が見当たらないので、交番に行き遺失物届けを出す。 そのあと、某スタバで少しニーチェの勉強をし (ラッセルの西洋哲学史を読んだが、あまりinformativeではない)、 買物をしてから帰宅。

BBC World Serviceのマルクスの政治哲学を聴く。 ジョナサン・ウルフが登場している。 英語ではマーカスとイングルズ。

真夜中

ご飯を炊いて、納豆その他と一緒に食べる。

ニーチェの勉強。メモ。「文化が病んでいて、自然に戻るべきだ」 という主張においてニーチェとルソーは似ている。 しかし、ルソーが現在は不平等だから平等な自然状態に戻るべしと 考えているのに対し、ニーチェは現在は平等だから不平等な自然状態に 戻るべしと考えている。


09/Jan/2003 (Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中 (午前)

長電話したり、某君と長話したり。

真夜中2 (午前)

ニーチェ。

もっと勉強しなければ。しかし時間が足りない。 睡眠時間を削らないとダメか。

お昼前

しかし、早起きはできないのだった…。

いろいろ怖い夢を見る。

お昼

もち、風呂、洗濯。

EUが北朝鮮に12億円ほど人道援助するそうだ。 さて、産経は怒るだろうか。

昼下がり

うどんを食べたり、トムソンの`A Defense of Abortion'を読んだり。


10/Jan/2003 (Friday/vendredi/Freitag)

真夜中 (午前)

昨日の夕方、大学へ。夜、四条で母と食事。 そのあと、某所で研究室の新年会に出席。 今年もよろしくお願いします。

お昼前

朝、電話で起こされる。二度寝しようと思ったが、 考えごとをしていると寝つけず。さあ、起きろ起きろ。

今日は「110番」の日だそうだ。昨年は110番通報が過去最高の887万件に達し、 そのうち携帯からの通報は5割を上回ったとのこと(産経本日付朝刊より)。 ただし、通報のうち4分の1は、急を要しない照会や相談であるそうだ。

お昼

北朝鮮、NPT(核拡散防止条約)脱退を宣言。 実は緊張がかなり高まっているのでは。

お昼すぎ

産経の住民投票についてのアンケート。 住民投票の問題点は、

民主主義における投票の問題を考えるうえでおもしろい問題だと思う。 よく考えるべし。

大学に来て、いろいろ雑用とか相談とか。夜は論文提出者の慰労会があるようだ。 論文出した人、おつかれさまでした。

慰労会は一次会だけ出席して、帰宅。 週末は授業の準備やテストの作成など、 忙しくなりそうだ。

真夜中

売春は人の尊厳を踏みにじる行為であることを、少年少女に心から理解させる ことが何よりも大切だ。性急に“厳罰化”に走らず、迂遠(うえん)でも教育 の徹底など根源的な対策を重視したい。

毎日10月10日社説「「出会い系」法規制 少女を罰しても解決しない」

売春(買春)は人の尊厳を踏みにじるのだろうか。誰の尊厳? 当人あるいは人間一般? レイプや強制的な売春は女性の自尊心やプライドを踏みにじるかもしれない。 しかし、合意ずくの売春はなぜ人の尊厳を踏みにじるのか。愛がないから?


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed Sep 14 06:15:55 JST 2016