新聞記事の要約です。 固有名詞の訳はあんまり調べてません。 間違ってるのがあれば教えてください。
This is a summary of recent news articles relating (directly or indirectly) to applied ethics.
世界初のクローン動物である羊のドリーは、年寄りの羊に見られる進行性の肺 疾患にかかっていたため、安楽死させられた。
羊は通常、10年から16年生きる。 ドリーの享年の6才半は、人間にすると40代である。 ドリーは年寄りがかかる病気である関節炎にかかっていたことも知られている。 6才の羊の体細胞から作り出されたドリーが6才だったのか、 あるいは12才だったのか、遺体の解剖結果が待たれる。
解剖後は剥製にされてスコットランド国立博物館にて展示される予定である。
不妊治療の際に誤って別の男性の精子を人工受精して子どもができた際、 子どもの法律上の父親は生物学的な父親にあるという判決が英国で出された。
昨年から始まったこの裁判では、 約2年前にリーズの総合病院で不妊治療を受けた白人同士のカップル(Mr and Mrs A) と黒人同士のカップル(Mr and Mrs B)が 関わっており、黒人男性の精子が誤って白人女性の卵子と体外受精させられること により、混血の双子が生まれた。
すでに黒人男性がこの双子の生物学的な父親であるという判決が出されていたが、 今回、彼が法律上の父親であるという高等法院判決が出された。 今回の判決では、夫による「承諾」の妥当性が焦点となった。
すなわち、法的には(1990年のHuman Fertility and Embryology Actの28条) 生殖補助医療によって出産された子どもの父親は「承諾を拒否しないかぎりは」 生物学的母親の夫となるのだが、 今回白人男性が妻に対して「承諾」していたのは、 自分の精子によって妻が妊娠することであり、 他人の精子によって妻が妊娠することではなかった、 という解釈が採用された。
ただし判決では、双子の養育権(custody)は白人カップルに与えられた。 この白人男性は養子手続きをすることによって法的な父親になることができる。
ロンドンでは2月17日から交通税(渋滞税 congestion charge)が導入された。 不正防止のために使われる監視カメラは、テロ活動防止のためにも使われる。
今後、平日午前7時から午後6時半のあいだにロンドンの市内中央部に自動車で 入るには、一日5ポンド払う必要がある。 ただし、バイクや自転車などの二輪車、救急車、消防車などの救急車両、 パトカー、ロンドンタクシー、 障害者の車両などは無料である。 ガス・電気自動車やハイブリッドカーも無料である。 市内住民も値引きを申請できる。 交通税は所定の支払所だけでなく、郵便、 電話、携帯のメール、インターネットでも支払い可能で、 市内に自動車で入った当日の真夜中までに交通税を払わないと、 罰金(二週間以内にに払えば40ポンド、一ヶ月経つと120ポンド) を請求されることになる。
BBCラジオのニュースでは、大きな問題もなく始まったと言っていたが、 一律5ポンドなので、所得が低い層には高くつくと言える。 また、すでにバスの増発が始まっているが、 市長のケン・リヴィングストンは、 交通税による増収を公共交通機関の充実のために使うとしている。 ロンドンでのこの実験が成功すれば、イギリス国内の30の都市が同じ計画を 実施する予定であり、海外の大都市も高い関心を持っているところが多い。
一方、交通税を施行するために、 監視カメラ(CCTV)で自動車を認識するだけでなく、 「テロ対策も兼ねて」ドライバーの顔の認識も行なわれる。 このデータはMI5と警察にある容疑者データベースと照合される。 その主な目的はアルカイダによる自動車自爆テロを防ぐこととされる。 しかし、市民団体のリバティは、交通税のための監視カメラが このように「二重の目的」で使用されることに懸念を表明している。
英国には250万のCCTV(closed-circit television 有線監視カメラ)があり、 これは世界中で使用されているCCTVの約10%にあたる。
スイスとオーストリアにはさまれた人口3万3千人の国、リヒテンシュタイン公国は、 現在、多国籍企業に国を丸ごとレンタルすることを検討中である。
リヒテンシュタイン公国は155平方キロメートル、人口3万3千人の小さな国で、 11の村からなる。首都のファドゥーツの人口は5000人である。失業者は324人、 刑務所には20人の囚人しかいない。 産業は観光と、低い税率による企業の誘致(ただし、企業そのものが来るのではなく、 `mailbox companies'と言われるように、名目だけ企業の国籍を リヒテンシュタインにすることによって税金逃れをはかる)である。
政府は産業の活性化を計ろうとして、 国家を多国籍企業にレンタルすることを検討中である。 村をまるごとレンタルする例はこれまでにもあったが、 国ごとレンタルするのはこれが初めての試みである。 具体的には、たとえば代表900人の国際会議(これ以上の人数を宿泊する施設はない) を四日行なうと、最大190万ドル支払うといった具合である。 その場合、企業は主要なビルに会社のロゴを掲げたり、 美術館や劇場や皇族のワインセラーに自由に出入りしたり、 グーテンベルク城に入ったりすることができる。
もちろん、市民はレンタルされるわけではないが、 彼らはこのような企画がうまくいくかどうか懐疑的である。 彼らは金を出せばなんでもできるという考え方にも批判的で、 自分たちの生活が邪魔されないか心配している。
また、君主であるハンス=アダム2世の公務もレンタル項目からは除外されている。 現在彼は議会が自分に権力を与えないことに怒って、 城をビル・ゲイツに売却してウィーンに引越すと脅しをかけている。