FINEニューズレター編集委員会用記事

10/Oct/2002

  1. レーガン夫人、ES細胞の研究に関してブッシュ大統領と対立
  2. 英国のウェイター、10年越しのチップ訴訟に敗訴

新聞記事の要約です。 固有名詞の訳はあんまり調べてません。 間違ってるのがあれば教えてください。

This is a summary of recent news articles relating (directly or indirectly) to applied ethics.


レーガン夫人、ES細胞の研究に関してブッシュ大統領と対立

(from `Nancy Reagan takes on Bush over stem cells' in The Guardian Weekly, October 3-9 2002, p. 3)

アルツハイマーの夫(ロナルド・レーガン)を持つナンシーは、ES細胞研究に対 する共和党の姿勢を改めさせるために静かに抵抗勢力を築きつつある。

ブッシュ大統領は昨年、新たなES細胞を作り出すことに対しての政府の資金援助 を打ち切った。ES細胞は人間の胚を使って作るため、 これは人工妊娠中絶反対グループをよろこばせたが、 ES細胞の研究がアルツハイマーやパーキンソン病や糖尿病の治療法を生みだすと 考えている科学者たちは強く反対した。

元大統領のロナルド・レーガンを献身的に看護するナンシーは共和党内で非常に 尊敬されており、とくに保守派のキリスト教徒たちの支持が強い。また、 ブッシュ政権は減税と国家の安全を掲げたレーガン政権をモデルにしようと しているため、元第一夫人が叛旗を飜すことは、ブッシュ政権にとって痛手である。

ナンシーはあまり旅行をせず、 ロスアンジェルスの家に引きこもって夫と静かに暮らしているが、 すでに共和党の数十人の議員を味方に引き入れ、 さらにES細胞研究に対してリベラルな態度をとるハリウッドと 共和党議員との橋渡しをも行なっている。 家族に糖尿病患者などを持つ共和党議員の態度も軟化しつつある。

かつてスーパーマンを演じ、 現在は交通事故で全身麻痺になっているクリストファー・リーヴズも、 米国の70%の人が研究を支持しているという世論調査を引きあいに出して、 現在のブッシュ政権の方針を批判している。 彼はまた、ブッシュはカトリック教会に影響を強く受けすぎており、 政教分離の原則に反していると述べている。

一口コメント

共和党内部での争い。

関連ニュース

Reagan lobbies for stem cell research
BBCの同内容の記事。

英国のウェイター、10年越しのチップ訴訟に敗訴

(from `Waiters lose 10-year court battle over tips' in The Guardian Weekly, October 3-9 2002, p. 9)

客がチップをカードで払った場合にチップが店に行ってしまうのを不服とし、 10年前から訴訟を行なっていたウェイターたちが、欧州人権裁判所で敗訴した。

訴訟を起こしたのは当時ロンドンで働いていたスペイン人と イタリア人からなる4人のウェイターで、 彼らはクレジットカードやチェックによって支払われるチップが、 最低賃金に加えて給料として支払われるべきだと主張して高等法院に訴え出たが、 裁判所は1994年に彼らの訴えを退け、カードやチェックによって支払われる チップは雇用者に属するとした (ただし、店の主人はチップにあたる金額から税などを引いたものを ウェイターに追加金として払っていた)。

貴族院に訴える許可が出なかったため、彼らは欧州人権裁判所に訴え出て、 高等法院の判決は所有権の侵害と差別であると主張したが、敗訴した。 訴訟のあと、彼らの弁護士は、チップは現金で払うようにと述べた。

一口コメント

そうだったのか。けっこうクレジットカードで払っていた気がする。 ウェイターには悪いことをした。

関連ニュース

Waiters lose tips legal challenge
BBCの同内容の記事。

Satoshi KODAMA <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Oct 10 15:20:12 JST 2002