FINEニューズレター編集委員会用記事

11/Jul/2002

  1. 保守派のキリスト教団体とイスラム教国家の共同戦線
  2. バルセロナで国際エイズ会議が開催中

新聞記事の要約です。 固有名詞の訳はあんまり調べてません。 間違ってるのがあれば教えてください。

This is a summary of recent news articles relating (directly or indirectly) to applied ethics.


1. 保守派のキリスト教団体とイスラム教国家の共同戦線

(from The Guardian Weekly, `Christian Right finds allies', June 20-26, 2002)

ゲイや女性や子供の権利を拡張しようとする国連の動きを阻止するために、 教義の違いを越えてキリスト教団体とイスラム教国家が同盟を組んでいる。

ブッシュ政権によって一層発言力を強めている米国の保守派のキリスト教団体は、 ヴァチカンと手を組むだけでなく、スーダンやリビヤ、イラク、 イランを含む50以上のイスラム教国とも共同戦線を張ることにより、 先々月にニューヨークで行なわれた国連の子供会議の宣言で 人工妊娠中絶を認める条項を削除することに成功した。

ニューヨークに拠点を置くCatholic Family and Human Rights Institute の代表は次のように述べている。「われわれは彼らのことを同盟者だと思っている。 必ずしも友人というわけではない」。

一口コメント

保守派の連合。こわい。

関連サイト

UN faces snags over children's deal
BBC News。国連子ども特別総会において米国が性教育や中絶に関して他の国と 対立しているという話。
Special Session on Children (UNICEF)
UNICEFのページ。こないだの国連子ども特別総会の報告。
国連子ども特別総会
日本ユニセフ協会のサイト。採択された宣言の和訳がある。 「議論が紛糾した問題」のところを参照。
Catholic family and Human Rights Institute
公式サイト。男性、女性、子供の権利、とくに家族を重視すると書いてある。 中絶に反対とは書いていない。

2. バルセロナで国際エイズ会議が開催中

(from Guardian Unlimited, `Aids' (http://www.guardian.co.uk/aids/story/0,7369,751585,00.html), July 8, 2002)

UNAidsの主導によって今週バルセロナで開催されている国際エイズ会議では、 新薬やワクチンの開発状況、今後のキャンペーンが議題になっている。

UNAidsが先週出したレポートによると、現在HIVの感染者数は4000万人で、その 半数以上はアフリカに住んでいる。また、この病気によって2020年までに7000万人が 死ぬと予測されている。USaid (US agency for international development) の報告では、アフリカでもっともAIDSが広がっている11ヶ国において産まれる子供 の平均余命はまもなく30才を下回る。世界全体では、 毎年エイズによって死ぬ人は300万人で、あらたにHIVに感染する人は500万人である。

こうした悲観的な予測が報告される一方で、希望となる知らせもある。 米国の製薬会社VaxGenは、5年以内にエイズ・ワクチンが開発できるだろう としている。現在人体実験の段階に入っているワクチンが使用許可を得るためには、 三人に一人に対して効果があることが示される必要があるが、 試験の結果は来年のはじめに出るとされている。もちろんワクチンは すでにHIVに感染している人には効果がないが、 エイズの広がりを防ぐことができると考えられる。

現在、エイズの流行がもっともひどいのはアフリカで、 いくつかの国でもエイズによって国家そのものの存続が揺がされている。 たとえば、去年一年だけで、100万人の子供が教師をなくした。 また、サハラ以下の国で孤児の子供は3400万人であり、 そのうちの3分の1がエイズが原因で両親をなくしている。

しかし、ロシア、中国、その他のアジア諸国でも、 なんらかの有効な手段を取らなければエイズが蔓延する可能性が高い。 ロシアでも三年間で公式に報告されたHIV感染の数が15倍になった。

98年以降、エイズ撲滅に対する国際的な資金援助は6倍に増えているが、 まだまだ足りない状態である。 今年は、18億ポンドが貧しい国々のエイズ対策の支援に使われるが、 65億ポンドが必要だと言われている。

また、バルセロナでは、 「第三世界の国々の人々にエイズの薬を」と訴える人々がデモを行なっている。

一口コメント

あんまり日本では報道されていない気がするが…。対岸の火事ということか。 しかし、ほんとに真剣になんとかしないといけない大問題だと思う。

関連サイト

以前のニュースも参照のこと。

AIDS 2002
バルセロナの国際エイズ会議の公式サイト。
UNAIDS: The Joint UN Program on HIV/AIDS
UNAIDSの公式サイト。バルセロナの会議のレポートもある。ちなみに、 UNAidsは国連その他のいくつかの団体(UNICEF, ILO, UNESCO, World Bankなど) が集まって作っているようだ。
UNFPA: hiv/aids update 2002
国連人口基金のページ。エイズについての各国の対策や国際協力につい て説明がある。
GuardianUnlimited Special Reports: Aids
ガーディアンの特集。
Aids In Africa
TIMEの記事。アフリカ各国のエイズの現状についてわかる。
$36 million AIDS vaccine trial to be launched
CNNの記事。タイで16000人のボランティアを使ってエイズワクチンの実験をする という話。
AIDS: 20 years of an epidemic
CNNの特集。20年間のエイズのタイムライン、 どのようにHIVに感染するかについての説明などがある。
Much rides on the Aids conference
BBCの記事。BBCは特集を組んでいないが、他にもいろいろ情報がある。
AIDS around the world
と思ったが、やはりBBCでも特集があった。 地域ごとにニュースがまとめてある。

Satoshi KODAMA <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed Jul 24 13:47:56 JST 2002