新聞記事の要約です。 固有名詞の訳はあんまり調べてません。 間違ってるのがあれば教えてください。
This is a summary of recent news articles relating (directly or indirectly) to applied ethics.
(from The Guardian Weekly 7-2-2002)
ロンバルディア州の知事は、2005年1月1日に州内でのガソリン車およびディー ゼル車の販売を禁止する計画を明らかにした。
イタリアのGDPの大きな部分を生み出しているこの州の人口は約900万人で、車 の数は400万台に上る。大気汚染は法定限度の5倍のレベルにあるため、州都で あるミラノや他の都市では、すでに週末の自家用車の乗り入れを禁止している。
大気汚染の問題解決の一環として、 知事のロベルト・フォルミゴーニ(Roberto Formigoni)は 従来のガソリン車の販売を禁止し、 電気・ガス・水素エネルギーによる自動車に切り換える計画を打ち出した。 このような計画はヨーロッパでは初の試みで、 2004年までに州内を走る全自動車の10%を水素自動車にしようとする カリフォルニア州の環境対策の試みに続くものである。
フィアット、BMW、シトロエンなどはこの計画に対して好意的であるが、 自動車の値段の問題、代替エネルギーの流通ネットワークの確立など、 解決されるべき課題は多い。
ミラノ市長のガブリエル・アルベルティーニはこの計画を愚弄して、 スタートレック風の遠隔移動装置でも開発したらどうだと知事の計画を皮肉ったが、 この計画に対して中央政府の支持と州の市民の3分の2の支持を得ている フォルミゴーニ氏はこの計画は実行可能だとしている。
(from The Guardian Weekly 7-2-2002)
英国の保健省と女性団体は、高等法院で行なわれているモーニングアフターピ ルについての司法審査の成行きに注目している。
この審査は、 「まだ生まれていない子供の保護団体」(the Society for the Protection of the Unborn Child)の訴えに基づいて行なわれているもので、 この団体の訴えによれば、 モーニングアフターピルは胚が子宮に着床するのを妨げるがゆえに、 流産を引き起こす薬であり、 したがってその販売は、 流産を引き起こす毒物その他の提供を禁止している1861年の人身に対する犯罪法 (the 1861 Offences Against the Person Act)に抵触するというものである。
もしこの訴えが認められると、 他の種類の性交後の避妊手段も影響を受ける恐れがあると心配されている。
(from The Guardian Weekly 31-1-2002)
英国のある有名な哲学者は、タバコ会社に宛てたメイルの中で、新聞や雑誌に 喫煙支持の文章を書くかわりに、月5500ポンドの顧問料を要求した。
昨年10月に哲学者のロジャー・スクルートン(Roger Scruton)が日本タバコ・ インターナショナルに宛てたメイルによれば、彼は二月に一度、ウォールスト リートジャーナル、タイムズ、テレグラフ、スペクテイター、フィナンシャル・ タイムズ、エコノミスト、インディペンデント、ニューステイツマンのいずれ かの紙上に喫煙を支持する記事を書くことを約束している。そのかわりに、彼 はこれまでの月4500 ポンドの顧問料に1000ポンド上乗せするようにと書いた。 このメイルは匿名のソースを通じて開示された。
また彼は同じメイルの中で、タバコの健康に対する危害を、 ファストフードやアルコールなどの責任にするよう、 日本タバコに助言している。
追記。ウォールストリートジョーナルは、ロジャー・スクルートンが タバコ会社とのつながりを社に知らせていなかったとして、 彼を解雇した。(from The Guardian Weekly 7-2-2002)
(The Guardian Weekly 14-2-2002)
カトリック教国のスペインで初めて、ある神父がゲイであることを公表し、 議論を巻き起している。
ゲイ雑誌のゼロは、 「わたしはゲイであることを神に感謝します」という見出しで、 神父ホセ・マンテロ(José Mantero, 39才)のインタビューを掲載した。
彼はアンダルシア州のヴァルヴェルデ・デル・カミノという人口1万人あまりの小さな町 の神父であり、地元では人気が高く、カミングアウト後も彼を非難する声はそれほど 大きくない。しかし、ガリシア司教のホセ・ゲア・エスコラノ(José Gea Escolano)が神父を「アブノーマル」と形容し、 ホモセクシュアルは視覚障害や聴覚障害と同様に 「身体の作りに欠点がある」と示唆したため、 スペインのメディアで大きな論争が起きている。
マンテロの進退についてまだ教会側からの決定は下されていないが、 マンテロは、万一彼に懲戒処分が下されるならば、 ゲイの神父や司教の「完全なリスト」を公表すると宣言している。
追記: その後の報道によると、彼は神父の身分を剥奪された。
(The Guardian Weekly 21-2-2002, page 7)
スコットランド議会で野生哺乳類保護法が通過し、狐狩りは刑法上の犯罪となった。 ウェストミンスターの英国議会の今後の動向が注目される。
野生哺乳類保護法によれば、狐狩り、狐いじめ(fox-baiting)、猟犬を用いた ウサギ狩り(hare-coursing)をした者は、5000ポンドあるいは最大懲役6ヶ月 の刑に課される。この法によって影響を受ける人々に対する補償は一切ない。
狐狩り禁止に反対の人々は、この法の抜け道を探す一方で、必要であれば裁判 所に持ち込んで闘うという意気ごみを見せている。この問題は、動物の権利の 擁護者とその反対者の対立というだけでなく、都市部と農村部の市民と国会議 員の対立、階級の対立、さらに、スコットランド議会からウェストミンスター 議会への挑戦という様相を持っている。ある禁止反対派の人はこう語った。
「われわれは自分たちの暮らし方を守るために闘う準備があるし、死ぬ準備さ えある。ブレア首相は、国外の問題を解決するためにパレスティナに使節を送っ たり、アフリカに行ったりする必要はない。国内にたくさんすぎるほどの問題 があるのだから。田舎では血の川ができるだろう。なぜならおれは馬に乗って 狐狩りをしたいからだ」。
(from The Guardian, 2-2-2002 (the Editor 15))
アジアの各地で、カラオケによる死者が次々と出ている。
ベトナムでは、 ずさんな配線がなされたマイクを口に当てたままスピーカーにもたれたとたん、 スピーカーが爆発して死ぬというケースが、これまでに少なくとも四件発生している。
フィリピンでもカラオケによる死は日常茶飯事となっている。 マニラの北にある町で起きた事件では、 店の客たちがカラオケの歌い手をオンチだと非難したところ、 運の悪いことに、 歌い手とその友人たちはフィリピン国家捜査局のスパイであった。 彼らは怒り狂って銃に手をかけた。 しかし、さらに悪いことにケチをつけた客たちは警官であった。 彼らも銃に手をかけた。その結果、銃撃戦で数名が死亡した。
さらに、カラオケの興奮によって死亡する場合もある。 カラオケでアンチェインド・メロディを歌っていたある香港の政治家は、 歌の最後にさしかかり、高い音程を出すために気合いをいれ、 聴衆は息を飲んだ。`Are you still mine? I neeeeeeeeeeeeed your love.' 彼は歌い終わり、聴衆は大きな拍手をした。 彼は倒れて死んでしまった。