(べんしんろん theodicy)
Could it be that it is valuable to make evil and repugnant options available so that people should freely avoid them? Is the person who rejected a life of mindless idleness, for example, better than one who never had the chance of choosing it? Three reasons are often produced in support of this view. First, people must be tested and prove themselves by choosing good rather than evil. Second, the need to choose refines one's moral judgment and discrimination. Third, the presence of evil provides the occasion for developing certain moral virtues. Whatever sound sense there is in all three considerations derives from the thought that the morally good not only manages his life morally, but would have done so even if circumstances were less favourable or presented more temptations or pressures for evil.
-- Joseph Raz, The Morality of Freedom, Oxford: Clarendon Press, 1986, p. 380 [italics by Kodama]
The fablic of the Universe is far from perfect. It was a bit of a botch job, you see - we only had seven days to make it.
--- Randall in Terry Gilliam's Timebandits
ジェニー「どうして神さまはわたしたちをこの地球に住まわせてるのかしら?」 「どうして神さまは地球に降りてきて、 わたしたちのなすこと一つ一つを監視し、 わたしたちが決して、絶対に、 一度も不正なことをしないようになさらないのかしら? それはね、もしだれかがそんなことをしたら、 わたしたちは成長することができないからよ。 わたしたちは何にもなれやしないわ。 それじゃ操り人形だわ」
(Orson Scott Card, Lost Boys, p. 230)メティリウスが死んだのは彼の母親が悪人だったからではない。 また母親が善人であるのに彼が死んだからとて、 世界が不公平であるわけでもない。 彼の死は、セネカの考えでは、運命の女神の仕業であり、 この女神はけっして善悪の裁判官ではないのだ。 彼女は申命記の神と違って犠牲者たちの価値を考慮しはしないし、 また功績に応じて報いたりすることもない。 彼女は吹き荒れる風のごとく善悪とは無関係に害悪を与えるのだ。
---Alain de Botton, The Consolations of Philosophy,
Penguin Books, 2000, p. 94.完璧なものは何もない／それが神さまの完璧な計画
影の中を覗いてごらん
神さまが人間に恵みを与えてくれたのは／ただ我々にわからせるため
それらがない生活がどんなものかって---Neil Young, Nothing Is Perfect (in God's Perfect Plan)
「世の中には悪人が溢れていて、新聞の一面は悪いニュースで占められている。 神が世界を作ったとしたら、こんなひどい世界にしたわけがない。 だから神は存在しない」という神の存在を否定する議論に対して、 神の正義と悪の存在が 矛盾していないことを示そうとする議論のこと。 theodicy (theodice)はライプニッツの造語で、 「神の正義」という意味。
哲学史においてどういう議論がなされてきたかについてはまたいつか。
(12/Oct/2000)