(ぷらいばしー privacy)
公共的領域に対する私的領域。 「公」と「私」をどのように定義するかが問題になるが、 一つの理解では、 私的領域とは基本的に本人の同意がなければ立ち入ることができない領域であり、 逆に、公共的領域は万人に開かれた領域である。 たとえば個人の性的嗜好、家庭内での出来事(見ているテレビ番組、育児の仕方など)、 住民票に記載されているような情報は、 私的領域に属するものであり、 他人が口を突っこむべきことではない事柄とされる。
プライバシーにかかわる問題としては、 たとえば犯罪者の実名報道、 公人の活動に関する詳細な報道、 公共の場(たとえば、公園、商店街、高速道路の料金所) における監視カメラの設置などが挙げられる。
ちなみにイギリス英語では「プリヴァシー」と発音する。
なお、人工妊娠中絶についての自己決定を 「プライバシー権」として擁護することについては、 山田卓生の次のような説明を参考にせよ。 「わが国では、プライヴァシーの権利といえば、私的な情報をコントロールする 権利という理解が一般的であるが、アメリカでは、個人的な事柄を公に されない個人の利益だけでなく、ある種の決定をなすにあたっての独立性の 保障という意味をもつものとされ[る]」(山田卓夫、『私事と自己決定』、 日本評論社、1987年、339頁)。
25/Feb/2003改訂