(ひつようじょうけん necessary condition)
ある結論(結果)を生み出すのに、必要不可欠な条件(欠かせない条件)のこと。 たとえば、自動車が走るためには、燃料がいくらかでもないといけないので、 燃料があることは、自動車が走ることの必要条件である。
逆に、自動車が走っていれば、それは自動車にいくらか燃料があることを示す 十分な証拠となっているので、自動車が走っていることは、 燃料があることの十分条件(sufficient condition)と呼ばれる。
いくつかの条件が集まってある結果が生まれるというのはよくあることであるから、 ある必要条件は、それだけでは結果を生み出すのに十分ではないかもしれない。 それゆえ、 必要条件はかならずしも十分条件とは限らない。
例を挙げておくと、火がつくためには酸素の存在が欠かせないので、 酸素は火がつくための必要条件である。 しかし、酸素だけでは火がつかないので(そうでなければ、 酸素があるところはどこでも火事になってしまう)、 酸素は火がつくための十分条件ではない。
ちなみに、 必要条件は、ラテン語でconditio sine qua non(condition without which not: それなくしては[結果が]生じない条件)とも呼ばれる。 また、英語では`but for condition'とも呼ばれるが、これも、 「それなくしては、結果が生じない条件」という意味である。 たとえば、「代表なくして課税なし」というのがあるが、 これは、代表があることは、課税を行なうための必要条件だという意味である。
21/Aug/2003; 30/Nov/2004追記