限界効用逓減

(げんかいこうようていげん diminishing marginal utility)


お金のないときに、 ある人から1万円もらうとすごくうれしい。 もう1万円もらうとやっぱりうれしい。 さらに1万円もらうと、うれしいけど、 最初ほどのうれしさではなくなってくる。 ……。 同様に、お腹が空いているときにタコ焼きを一つ食べると とてもおいしい。もう一つたべてもやっぱりおいしい。 しかし、10個食べたあとにさらに食べるタコ焼きのおいしさと、 お腹が空いていたときに最初に食べたタコ焼きのおいしさでは、 最初の方がずいぶんおいしかった気がする。

「限界効用」とは、 これらの例における最後にもらう一万円や最後に食べるタコ焼きのような、 最後の一単位によって 得られる効用(満足度)のこと。 だから、限界効用が逓減するというのは、 物をもらったり使ったりしたときに得られる満足度の増加は、 その量が増えていくにつれてゆるやかなものになる、ということ。

「限界」という言葉がわかりにくいかもしれないが、 これは、「端っこの」という意味である。 英語のmarginalは「端っこの」という意味だから、 「端っこの効用は減少する」と考えればよい。 しかし、なぜ「低減」と書かずに「逓減」と書くのだろうか。 (11/23/99)


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Fri Jan 28 03:40:01 JST 2000