ジェームズ・ミル

(じぇーむずみる Mill, James)

[ロックより徹底した環境決定論] Locke said at the beginning of his Thoughts Concerning Education: "of all the men we meet with, nine parts of ten are what they are, good or evil, useful or not, by their education." Mill said: "This much, at any rate, is ascertained, that all the difference which exists or can ever be made to exist, between one class of men, and another is wholly owing to education.

---Shirley Robin Letwin


イギリスの思想家(1773-1836)。 ベンタムの弟子の一人。 息子に英才教育を施したことで有名。

主著、『統治論』(An Essay on Government, 1820)。

スコットランドで生まれる。エディンバラ大学卒業後、 しばらく牧師をやったが、生計を立てられず、ロンドンにやってくる。 そこで文筆活動をはじめ、まもなく結婚(1805)。 子ミルが生まれるが(1806)、やはり生計を立てられず、 1808年に知りあったベンタムに助けてもらう。 1818年に『英国領インド史』を出版し、さらに東インド会社に勤めることになり、 経済的に独立する。子ミルを熱心に教育し、1836年に亡くなる。

哲学的にはベンタムだけでなく、 エディンバラ大学で学んだプラトンの影響も大きい。 また、連想心理学の分野ではロックハートリの影響を強く受けている (ミルは1829年に『人間精神の現象の分析』という本を出している)。 さらに、 禁欲主義的なカルヴァニストと宗教的背景も強い影響を与えていることを忘れるべきでない(この点についてはLetwinのThe Pursuit of Certaintyを見よ)。

08/Apr/2003追記


参考文献


冒頭の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Tue Apr 8 08:48:56 JST 2003