発話内行為

(はつわないこうい illocutionary act)


J.L.オースティンの用語。発語内行為とも。

言語行為論(speech act theory)とは、言葉を発すること(談話とも言う)が 一つの行為であることに注目した研究である。 発話内行為とは、 言葉を発することそれ自体がある種の行為を行なっている事態を指している。 illocutionaryはin(中)+locution(発話)という意味である。

たとえば、結婚式の誓いの場における`I do.'は、 約束という行為を行なっている。 また、船の進水式のさいに「わたしはこの船をクイーン・メアリーと命名する」 と言うことは、命名という行為を行なっているのであり、 真偽判断のできる命題を述べているわけではない。

発話媒介行為の項も見よ。

05/Jun/2003


参考文献


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Thu Jun 5 21:05:51 JST 2003