(さりどまいど thalidomide)
旧西ドイツで1954年に開発された催眠鎮静薬。 鎮静剤やつわり防止薬として女性に使われたが、 手足の欠損した子どもが生まれることがわかったため、 先進国では使用が禁止された。いわゆるサリドマイド禍である。
(この薬禍が中絶の議論に一役買ったことについては、 シンガーの『生と死の倫理』を参照せよ)
日本では1958年から販売され、1962年9月に販売が中止された。 被害者は国や製薬会社を相手どって訴訟を起こし、 1974年に和解した。
ところが、10年ほど前からサリドマイドが多発性骨髄腫(悪性の血液のガン) などの一部のガンやハンセン病の治療に役立つという研究報告が出始め、 ふたたび市場に出回ることになった(ただし、日本ではまだ未承認)。
13/Jan/2003