(せいとせいしょくにかんするけんこうとけんり reproductive health and rights)
生殖(出産、避妊、中絶)に関しては国家政策ではなく個人の自己決定が 尊重されるべきであり、 国家は女性の生涯を通じての健康(身体的・精神的なものを含む)を 保障しなければならない、という考え方。性の自己決定権、 リプロなどとも呼ばれる。
1994年カイロで開かれた国際人口・開発会議で公式に提唱され(カイロ行動計画)、 1995年北京で開かれた国際女性会議でもその重要性が確認された(北京行動綱領)。
性と生殖に関する権利については、とくに中絶権が問題になり、 米国の保守層やイスラム教国からの批判が強い。 まだ完全に国際的な同意があるがあるとは言えないし、 概念的にも完全に確立されているわけではない。
日本では産経が「ジェンダーフリー思想」や「性の自己決定権」をよく批判している。
性の自己決定権を基底している自治体の多くは「性と生殖に関する健康と権利」 という文言を使っている。一九九四年の国際人口会議で提唱されたもので、 女性が健康な生活を送るため、子どもを産む産まないを決める自由や避妊・中絶 などを求めている。
本来、母体の保護や望まない妊娠を強いられた女性を守るための権利だが、 それだけが強調されると、胎児の生命軽視につながり、中絶に一定の制約を 設けた母体保護法や堕胎罪を定めた刑法に抵触する恐れがある。また、 日本では、性の自己決定権が中学・高校生にも与えられているという 錯覚が一部にあり、性の乱れを助長している。産経新聞社説2003年2月18日
18/Feb/2002