マクノートン・ルール
(まくのーとんるーる M'Naghten Rule)
英米の刑事訴訟において、
精神異常による責任能力の有無を評価するための基準。
1843年にダニエル・マクノートン(Daniel M'Naghten)
による英国首相暗殺未遂事件
(マクノートンは自分が政府に迫害されている誤った信念のもとに、
首相を殺すつもりが、誤って首相の秘書を殺害した)
というの訴訟で確立した基準なので、マクノートン・ルールと呼ばれる。
マクノートン・ルールによれば、
精神異常のために犯罪行為に対する責任能力がないのかどうかについては、
以下の四つの条件がある。
- 妄想の影響で行為している人であっても、
もし犯罪を行なった時点で法に反した行為を行なっていることを
自覚していれば、法的責任がある。
- 各人は正気であり、犯罪に対する責任を負うのに十分な理性を持つと
推定される。
- 精神異常の理由での弁護が成立するためには、
以下のことが明確に示されなければならない。
すなわち、容疑者は犯罪を行なった時点において、
精神の病によって理性に欠陥があったために、
自分が行なっている行為の性格を理解していなかったか、
あるいは理解していたとしても、
その行為を道徳的に不正だとは理解していなかったということである。
もしも容疑者が、自分がすべきでない行為をしているという自覚があり、
その行為が現行法に反していたならば、彼は法的責任を負う。
- 部分的な妄想を持つ人に関しては、
その妄想に関する事実関係は現実にそうであると見なされる。
01/Jan/2005
参考文献
KODAMA Satoshi
Last modified: Sun Nov 14 16:51:45 JST 2004