リビング・ウイル

(りびんぐういる living will)


終末期のように、本人の意思が確認できない状況における治療方針について、 本人の希望や指示を事前に伝えておくための文書のこと。文字どおりには、 「本人が生きているうちに発効する遺言書」である。1976年に成立したカリフォ ルニア州の「自然死法」では、事前にリビング・ウイルを作成しておくことに より、昏睡状態に陥った場合でも、延命治療をいつどのように中止するかにつ いて医師に指示を行うことが可能になった。

日本では、日本尊厳死協会を中心に尊厳死やリビング・ウイルについての啓発 活動が行われている。なお、2008年4月から、75歳以上の患者を対象とする後 期高齢者医療制度(長寿医療制度)の一環として、終末期相談支援料が診療報 酬に組み込まれた。これは、医師が回復の見込みが薄いと判断した患者につい て、人工呼吸器をつけるかどうかなどに関する診療計画を患者と相談し、本人 の同意を得て文書や映像に記録した場合、医療機関に診療報酬が支払われるも のであるが、「患者が望む延命治療を医療費抑制のために打ち切ることをねらっ ている」などの批判を受けて、同年7月に凍結された。

事前指示の項も参照。

03/Jul/2009


本項目の元の出典は以下。ただし、一部加筆修正あり。


KODAMA Satoshi
Last modified: Fri Jun 15 11:56:14 JST 2007