連鎖解析とは...
染色体は22対の常染色体と1対の性染色体(XXあるいはXY)と言われるものからなります。
子は両親からそれぞれ1本ずつ染色体をもらいます。その際、2本の対となる染色体は、部分的につぎはぎ(組み換えと言います)が起こります。その組み替えの起こった染色体が子に受け継がれます。従って、兄弟やいとこでは染色体の伝わり方が異なります。そのため病気の伝わり方と染色体の伝わり方から、祖先から伝わったどの染色体の領域が病気に関係あるかが分かります。染色体の伝わり方は、人に共通のマイクロサテライトマーカーという目印を用いて調べることができます。このようにして病気に関わる染色体の領域を決めることを連鎖解析といいます。
病気に関連する染色体の領域が分かると、病気の遺伝素因に関わる遺伝子群を絞り込むことができます。絞り込まれた遺伝子群を候補遺伝子と言いますが、それらを解析することで病気に関連する遺伝子を探すことができます。
しかし、この方法では、絞り込んまれた領域に候補遺伝子が多かったり、未知の遺伝子が存在する場合などがあり、病気の原因となる遺伝子を探し出せない場合もあります。
この研究では、脳動脈瘤の発症に関係のある遺伝子がどの染色体領域にあるのかを探し、その領域に含まれる遺伝子群から候補遺伝子を選び出し、その遺伝子の構造や機能を解析して、脳動脈瘤の発症との関係を調べます。