家族性脳動脈瘤とは...
脳動脈瘤と診断されている人の血縁関係(親子、祖父母、孫、兄弟姉妹、いとこなど)に脳動脈瘤が見つかる場合があります。このように、ある家系に脳動脈瘤が集積している場合、家族性脳動脈瘤と言います。
脳動脈瘤を持っている人全体の約6〜10%に家族性脳動脈瘤がみつかっています。
近年、日本では脳ドックの普及によって、脳動脈瘤が破裂する前に発見されるようになってきました。
30歳以上の日本人では、約4〜6%の人が脳動脈瘤を持っていると考えられていますが、家族性脳動脈瘤家系内の30歳以上の人では、脳ドックによって約10〜20%の人が脳動脈瘤を持っていると診断されています。
家族性脳動脈瘤の研究は、30年以上前から世界で行われていますが、詳しくはほとんど分かっていません。それは、脳動脈瘤が、
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成人になってから脳動脈瘤が形成される。
A
脳動脈瘤があっても自覚症状はほとんどない。
B
突然クモ膜下出血を起こして発見される。
C いったんクモ膜下出血を起こすと死亡率が非常に高い(30〜50%)。
などの特性を持っているために正確な家系図が得られにくいことが大きく影響しています。
過去の世界の報告をまとめると、家族性脳動脈瘤は家族性ではない脳動脈瘤と比較して、
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若い頃に破裂してクモ膜下出血を起こすことが多い。
A
脳動脈瘤の大きさが小さいうちに破裂しやすい。
B
多発性であることが多い。
C
兄弟姉妹間では、同じ場所に脳動脈瘤ができやすい。
D
兄弟姉妹間では、同年代で破裂することが多い。
などの特徴を持っています。