■研究課題
【I】バンクの創設
- 試料収集に伴う諸問題に対する検討:
いかに多くの提供者から偏りのない生体試料の提供を受けるのか、その試料を二次汚染を避けて、長期間(30年目標)、低コストで保存するかを検討します。また保存試料の品質管理と、試料の効率良い検索方法を検討します。
- 試料の管理とバンク運営に係る問題の明確化と対応方法の検討:
限りある試料を如何に有効に、かつ公平に研究者に提供するのか、どのようにバンクの運営費用の負担するのか等について検討します。
- 倫理に係る諸問題の整理と今後のあり方の検討:
試料提供者のプライバシーをどのように守るのかについては連結不可能匿名化を行いますが、その結果、重大な測定結果であっても個人に還元できません。また、提供を受けた試料は任意の環境汚染物質測定に用いられます。このような問題を倫理面から検討します。
【II】既知のPOPsについて
既知のPOPsについてバンク試料の経時的、空間的検討:
既に毒性の明確なものあるいは歴史的経過の明らかなもの(PCBなど有機塩素化合物)について、経時的の測定することによってバンク試料の妥当性を評価し、評価の定まっていないPBDEs、メチル水銀についても検討を行います。
【III】新しいPOPs候補について
- 新しいPOPsの分析:
最近話題となりつつある有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)、有機臭素化合物について検討します。
- の歴史的、地域的視点からのヒト曝露評価:
これらの化合物のヒト血中濃度の分析から、歴史的、地域的な差異があることが判ってきました。これをさらに詳細に、全国的、国際的に検討します。
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