私たち、胃食道診療チームでは、経験豊富なスタッフが一丸となって、胃・食道がんの治療を行っております。 ご紹介いただいた患者さんは、初診から入院、手術、術後の外来フォローまで、責任をもって対応いたします。また、ご紹介いただいた患者さんの速やかな治療開始を常に心がけております。「がんセンターで治療をしてよかった」と患者さんやご家族、そしてご紹介いただいた先生方に言っていただけるように一生懸命頑張ります。
胃・食道がんの治療にあたっては、根治性が最も重要ですが、私どもは術後のQOLもとても重要だと考えております。そのため、術式を十分に考慮し、術後の食事摂取や栄養状況に関しては栄養管理科でもしっかり見させていただき、個々の患者さんのニーズに応えるべく、テーラーメイド治療を心がけております。
治療の選択肢が多いのも特徴です。術後のQOLを考え、消化管内科と合同で、胃をできるだけ温存する手術を目指しています。腹腔鏡手術は、私たちの最も得意とするところであり、ロボット支援下手術も行っております。Stage Ⅳ胃がんに対しては、術前補助化学療法後に大動脈周囲リンパ節郭清を伴った手術や、化学療法で著効した症例に対するコンバージョン手術も積極的に行い、良好な成績を報告させていただいております。
進行した胃がん・食道がんの治療には、抗がん剤治療が不可欠です。近年の抗がん剤治療の進歩は著しく、ご存知のように、治療効果が高く、かつ副作用が少ない薬剤の開発が進んでいます。免疫チェックポイント阻害剤もその一つであり、われわれは既にかなり多くの治療経験を有しています。抗がん剤治療は、原則的には標準治療に則って行われますが、当院では「最先端の臨床試験」や「治験」が複数行われており、それらに参加できる可能性もあります。さらに、2019年に保険収載されました最先端医療の「ゲノム医療」に関しては、当院はその拠点病院になっており、「ゲノム医療」も当院で受けられます。
ご紹介いただける患者さんについては、がんが疑われる方、ご本人・ご家族が治療を迷われている方、治療方針でお困りの方、セカンドオピニオンを希望されている方も、もちろん喜んで診察させていただきます。早期がんの患者さんについてはESDを積極的にいたします。
「がんの疑い」でご紹介いただき、もし、「がん」でなかった場合には、「先生方に当院にご紹介していただいたことで、『がんの疑い』が晴れて本当によかった」ということをしっかりと患者さんやご家族に説明いたします。
手術の待ち時間の平均は、当科初診から2-3週間を目標としております。
当院では、胃食道がん治療に関して消化管内科、胃食道外科のいずれの科にご紹介いただいても対応いたします。ぜひ、先生の大切な患者さんを神奈川県立がんセンターにご紹介ください。